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15話

 「おい、ガルクを呼んでくれ」


 店に入ってすぐガンズは店の女中に言った。言われるまま女中はガンズの弟子であろうガルクという人物を呼びに行った。


 「お待たせしました。師匠、突然どうされました?」


 出てきたのは人族の少し軽薄そうな男だった。体が細いように見えるがそんな体で鍛冶師が務まるはずがない。服の下にはしっかりとした体が隠されているのだろう。


 「おう、こいつの防具を作ってやってくれ。カイラスからの紹介で俺もこいつに武器を用意してやった。昨日はどうやら相当なでかさのファングボアを一人で狩って来たみたいでな、少し噂になってるのを耳にした。牙も相当なサイズみたいだからな。そいつを俺も狙ってるがなかなか競争相手も多そうだ。まあ、そんな感じである程度は腕がたつみたいだから頼む」


 ガンズは耳が早いな。たった一晩しか経っていないというのに、いつ情報を得たのだろうか。そして噂になっているというのも少し気になるな。


 「はあ、師匠からお願いされるとは驚きですが、師匠からの紹介ならもちろん信頼できるでしょうし私があなたの防具を整えて差し上げましょう。今の装備は素人と違わないほどのお粗末な装備ですから」


「私はハナビ。よろしくね。まず盾を作ってほしくてファングボアの突進を止められるような大きさのものが欲しいの」


 「盾ですか。ファングボアの突進を止められるようなといいますが、盾なしでファングボアを狩ることができるならそこまで必要性はないと思いますが・・・・・・・・・」


「そうだけどあったほうが楽に狩れるかなって思って」


 「ファングボアのためだけに盾を用意するのは少々もったいないので森のより奥にいる大きな魔物を意識した盾にしませんか。それか攻撃を真正面から受け止める前提から離れて、受け流すことを前提にしてバックラーか籠手と腕鎧と一体化したものというのはどうでしょうか」


「おお、それいいかも。一体化したものがいいな。そっちのほうが手が空いて運搬の苦労もなさそうだし」


 「そうですか。ではそのようにいたします。それでは体を守る防具はどのようにしましょうか」


「んー、やっぱり体は守りたいけど機動性が損なわれるのは嫌かも」


 「なるほど、わかりました。ではプレートメイルやチェインメイルなどで全身は固めず。特定の部分だけ金属の鎧で固めて、他はなくすことで重量を落とします。値段は大体100万ギルほどで足りると思います」


「うん、大丈夫。おねがい」


 「それでは、測定しますのでこちらへ女中にやらせますので」


「わかった」


 体のサイズに合わせて鎧を作るために詳しく測定した。


「よし、終わったな。じゃあガルク頼んだぞ」


 「任せてください。3週間ほどで準備しますので、そのくらいの期間経ったらまたお越しください」


「わかった」


 ガルクの店をでて今日はこれから街の店を少し回ろうと思っている。ずっと森に行ってばかりで街のなかをそこまで回っていなかったので、今更だがいろいろとみてみよう。


 まずは服屋に行くことにする。今日みたいな森に出ない日に着るような服も欲しいし、下着や寝間着なども新調したい。


 現実よりは服の種類も少なければ、質もひどいものが多いがこうやって服を探すのはなかなか楽しいものだ。森に着ていくような服は古着屋でそろえ、他の服は少しいい店でいくつか買った。


 次は、専門の干物屋にでもいこうかな。もっとおいしい携帯食が食べたいし、良さそうなのいろいろ買っちゃお。干物屋には干し肉やドライフルーツ、燻製のチーズなんてものもあったりかなりの品ぞろえだ。その中から干し肉と燻製チーズ、乾燥パラナを買った。パラナはこの前森で食べた果実のことだ。あの時食べたのは美味しかったし、他の干物に比べてかなり高かったが買う価値はあるだろう。


 あとは雑貨屋で最初に買ったずた袋を卒業して革で作られた上等なものにカバンを変えた。今までいろいろとものの準備を怠りすぎてたな。お金はあるんだしもっと早く上等なものでそろえればよかった。


 あとは移動手段に馬と書いたらいいなあと馬を見に行ったが今の手持ちでは到底買えるものではなかった。ファングボアを運ぶのには苦労したし、なにか手立てがあるといいんだが・・・・・・・・・


 ないものねだりをしていても仕方がないが獲物の運搬は死活問題なのでどうにかしたいものだ。他のソロの傭兵は運搬屋を雇うこともあるみたいだが、私もしばらくはそうしようか。


 防具はできるのを待つだけだし、次は馬を買うためにお金を貯めることにしよう。といっても馬を買った後はどうしようか。馬の世話なんかもなんだかんだ大変だろうしな。


 そして街を一通り回って必要なものは軒並み揃えられた。一度宿に買った荷物を置いて、訓練場で体を動かして昼ご飯にしよう。朝が早いもんだから、まだ昼だ。結構いろいろともうすでにしているのだが時間が余りに余っている。午後は何をしようか。

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