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14話

 ファングボアの死体を引きずって街に帰る。体長250㎝で体重は500㎏ほどある巨体を引きずって帰るのは苦労した。ほかの傭兵や狩人はどうやって運んでいるんだ?もう少しほかの傭兵についても気にして見るべきだったな。


 ゴブリンは討伐証明の左耳さえとれば死体は放置してほかの魔物や動物に掃除を任せればいいが、肉が必要な魔物を狩った時いつもこれだと困るな。運ぶ手間のせいで、毎日2時間も帰るのが遅くなるのはたまらない。


 南門につくと魔物の血で道路が汚れてはたまらないと門兵が手押し車を貸してくれたが、レンタル料は高かった。


 ギルドについてカイラスに声をかける。


「外に狩ってきたファングボアが置いてあるんだけどどうればいい?」


 「それならここより西側にある傭兵ギルドが運営してる解体場に持っていけ、こんなところにだされても困るからな。そして解体場に持っていったら査定の証明書をもらえ、それを持ってきたらこっちで報酬出してやるから」


「わかった。ありがとう」


 いわれた通り手押し車を押して、解体場にむかった。


「ファングボア狩って持ってきたんだけど、どうすればいい?」


 解体場に入ってすぐにいた男に話しかける。


 「ん?お前が狩ってきたのか。とりあえず奥まで持ってこい」


「ん」


 「おお、でかいなあ。左の前足がつぶれているが皮の状態も悪くはないな。とどめは頭蓋に一刺しか、見事なもんだ。状態も悪くなければなによりでかい、結構な値段になるだろうよ」


「そっか。それなら良かった。あとは血抜きとかよくわかんなくてやってないんだけど大丈夫かな?」


 「ん、そうか。血の付いた肉は腐りやすいから、そのためにも血抜きは重要だ。ただ血抜きは魔物や動物にしっかりととどめを刺す意味もある。死んだふりをしてくるようなやつもいるからな。だからやらないにこしたことはない。まあ、やってないからと言って買値を落としたりはしねえから安心しな。最近はファングボアが取れる数が減っているからな。腐る心配をせずとも腐る前に消費されるだろ」


 「あとは血抜きの仕方についてだが、頭を下にして喉元を搔っ切ってやればいいだけよ。ただ魔物の多いところだと血の匂いですぐに他の魔物が寄ってくるからな。それだけは気をつけろ」


「そうなんだ、ありがとう」


 「よしまあ、査定させてもらうが・・・・・・これなら65万ギルくらいになるな」


「そんなに?」


 「まあファングボアは皮にでかい牙、そして肉といろんな部位が金になるからな。それに今は取れる数が少ないからな。こんなもんだ」


 査定の証明書をもらい、ホクホク顔でギルドへ向かう。


「カイラス、査定書、これ」


 「おう、相当でかいのを仕留めたみたいじゃねえか。ちょっと待ってろ」


 カイラスから金貨袋を預かる。


 「あとは傭兵の証明書を出しな。お前は昇格だ」


「ん、ようやくだ」


 「今まで狩りを一切してなかったからな。今はまだEランクだがお前ならすぐにDにはなるだろう。なんならあのサイズのファングボアを狩ったんだ。それだけでDになるには十分なはずだ。だからもう何回か狩りをすれば昇格するさ」


「がんばる」


 そうしていつものルーティーンをこなして宿で休んだ。


 おかげで一気に稼げたので明日盾や防具を注文しに行くのもいいかもしれない。今は140万ギル近くの貯金があるのでいいものをそろえられるだろう。


____________________


 今日は防具を注文しに行く。といっても今行ってもまだ店は開いていないだろうから、まずは魔力操作の訓練をする。

 

 これもしばらく続けているうちに体内で感じる魔力をスムーズにコントロールできるようになっていた。私は今のところ剣を使って近接で戦っているので、いわゆる身体強化魔法のようなものを使いたいのだがなかなかうまくいかない。魔力で強化したい部位を覆ったり、魔力を筋肉にまとわせたりしてみるのだが全く効果がない。いったいどうすればいいのだろうか。


 魔力を消費しきるまで実験と訓練を続けていい時間になったので宿で朝食を食べる。


 今日の朝食は豆のスープに大麦と小麦で作られたパン、そして腸詰だ。しっかりと食べて職人街にむかうとしよう。


 といっても防具を作る鍛冶師に伝手がないのでとりあえずガンズのところに行く。


 女中にガンズを呼んでもらい、ガンズを待つ。実際ただの一人の客ならこんなことはできないのだろうが、カイラスの紹介ということでできる特別扱いである。私は使えるものは何でも使うのだ。ここまで優遇してくれるなんてカイラスとガンズの関係はどのようなものなのだろうか。


 「よお、また来たか。どうした」


「防具と盾を揃えたいんだけど。いい職人さん紹介してもらえないかな?」


 「防具と盾か・・・・・・・・・ふむ、それなら俺の弟子で防具を作ってるやつがいる。そいつを紹介してやるよ」


「ん、ありがとう」


 「ああ、そいつの店はここのちょうど向かいのとこだよ。そこで頼みな」


「うん、わかった」


 そうしてガンズに連れられて、向かいの店へ向かった。わざわざガンズがついて行ってくれるなんて相変わらずの特別待遇だ。



 魔物は繁殖能力が高く成長するのも早いものが多いです。そのため数が多く、尚且つそれらを狩る傭兵も多いので肉の供給はそこそこ多く。肉の値段は少し安めです。 

 家畜を飼って畜産も行っており、そういった方面からの肉の供給もあります。


 傭兵ギルドでは銀行のようなサービスも行っておりますがCランク以上の信頼のある傭兵に限り、今はEランクのハナビは宿に貯金を置いています。今宿泊している宿は防犯がかなりしっかりしているのでそれである程度安心できますが、前の宿で盗難にあっていないのはたまたまです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 500kgを始めてからまだそんなにたってないのに引きずれるようになるってすごいな。 やはりオズっていう種族の潜在能力値かなり破格で、当たりの部類に入りそう? 肉が安いのはうれしいけど、その…
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