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13話

 ゴブリンを狩ったのちに街に帰ってきた。そしてギルドに換金しに行く。


「換金よろしく」


 いつも通りカイラスの元へ行って薬草とゴブリンの討伐証明を出す。


 「おう、とうとう魔物も狩るようになったか。まあお前ならゴブリン相手にやられることはないとは思っていたけどな」


「ん、ちょっと緊張したけど案外いけたよ。カイラスが訓練に付き合ってくれたおかげ。これからは薬草採取も続けるけど、魔物を見つけたら狩れそうな相手だったら狩っていくよ」


 「ああ、そうしろ。森の浅いところに出る程度の魔物の強さと数じゃあそんな稼ぎにはならねえだろうが。少しずつ経験を積んでくのがいいだろうよ」


「うん」


 今日も訓練場で訓練をしてから、がっつり宿で夕食を食べる。今日の食事はミートパイに豆のスープ、そして追加でステーキとパンを食べた。体力をつけるためにお金に余裕ができてからはたくさん食べるようにしている。そのおかげかみるみると体力筋力がついてきているのを感じている。


 そうして食事に舌鼓を打った後魔力訓練を行ってすぐに寝た。


____________________


「ふわぁああ」


 早朝に起きて顔を洗って森に行く準備を始める。服を着替えて胸当てをつけて、腰に武器を下げる。


 もうこの時間に起きて活動するのにも慣れて朝もスッキリ起床できている。準備ができたらギルドに向かい、もうすでにギルドの食堂で朝食を食べ始めているキナ爺とともに朝食にする。


「昨日ゴブリンを狩ってきたの。相手は3匹だったけどかなりうまくいったよ」


 「おお、そうか。それはよかった。ようやく傭兵としてまともな仕事をしたなぁ」


「キナ爺のおかげだよ。ゴブリンの足跡を先に見つけて痕跡を追っていったの、そして先手をうって狩ったから」


 「油断してやられたりはするなよぉ。人間は魔物みたいに体が強くねえからな。どれだけ強くなろうが魔物から一撃食らえばそれだけで結構なダメージになる。ましてやハナビは防具が貧弱だからな。早く武器だけじゃなくて体を守る装備も買えよ」


「うん。もうすこしお金を貯めたら防具も整えるよ」


 そしてキナ爺とは森の入り口付近で別れ、それぞれの目的地へ向かう。


 周りを警戒しながら森を歩いていく。薬草を採取しながら魔物の痕跡を探すがなかなか見つからない。動物の痕跡を見つけることはあるが、どれも臆病で逃げ足の速いものばかりで私の武器ではそれらを狩るのに向かない。


 しばらく歩いて昼時になったのでちょうど見つけた木陰に座って干し肉をかじる。


「んー、相変わらず美味しくない。お金に余裕あるし携帯食料の質も考えないとな」


 美味しくはない干し肉を食べ終え、道中で見つけた果実を齧る。


「んっ・・・甘いっ」


 今の時期にしか取れないものだが少しでも甘味が取れるのは嬉しい。


 そうして昼休憩を終えてまた歩き始める。そうしてしばらくしてようやく魔物の痕跡を見つけた。魔物を見つけるためにいつもより森の奥に行くことになってしまったが見つかって良かった。


「この足跡はファングボアか。結構大きそうだな。盾は持ってないしどう相手をしようか」


 たいていファングボアは盾持ちがファングボアの強力な突進を抑え、そうしてできた隙をついて倒すというのが一般的な狩り方だ。そうでもしないと興奮したファングボアはその強力な突進力を生かして走り回って止まらないので狩るのに苦労してしまうのだ。


「とりあえず足跡の主を見つけてから考えるか」


 足跡を追ってしばらく、ようやくファングボアを見つけた。全長は250㎝もありかなり大きい、それに比例してファングボアの特徴である牙も大きくなっている。


「思っていたより大きいぞ。どうしよう・・・・・・・・・」


 しばらく様子をみながら考える。


「そうだ。いいことを考えたぞ」


 近くの木に登る。そして、先ほどとった果実を落とす。ファングボアは雑食だが多くは木から落ちた果実や木の実、キノコなどを好んで食べるのだ。その習性を利用して果実で木の下まで誘導し、木の上から攻撃しようという作戦だ。


 果実を落としてしばらくファングボアを待つ。


 ・・・・・・・・・・・・来ない。


 全然こっちに寄って来てくれないぞ。どういうことだ。


 んー・・・・・・・・・仕方ない、一回下りよう。


 木から降りてどうするか考える。もう勢いでやるしかないのかな。それでもあの大きさ相手に突っ込むのはなあ。


 走り出す前に決着をつけられればいいのだが、突っ込んで一発で勝負を決めることはできるだろうか。


 投げナイフ程度じゃあ、あのかたい毛皮を突破して足を破壊することはできないだろうし。私の瞬発力に期待して剣で足を一撃でつぶすしかないか。


 できるだけ近づいて剣を抜く。そして足にグッと力を入れてファングボアに対して駆けだす。


 できるだけ視界外から行ったつもりだったが突然近づいてきた私に気が付いたファングボアがこちらの方を向く。


 ただ振り向くのは思ったよりものろくてファングボアが対応するよりも早く私の刃が到達した。


 _____グシャッ


 思い切り振りぬいた剣はファングボアの毛皮を貫通し見事足を破壊した。


 足を破壊されてもがくファングボアにとどめを刺して無事に狩ることができた。


 ファングボアに近づいた時も音は最小限だったのにすぐ振り向いてきたし、臭いか何かでもうとっくに気づかれてたのかもな。結果的にどうにかなってけどかなり間抜けだったな。キナ爺も魔物は嗅覚に優れているものが多いって言ってたし、臭いに対する対策も考えなきゃいないのかも。


 あとは盾も必要なのかもしれない。バスタードソードは片手で扱えるものだし相手によっては盾を持つのも悪くないかもしれない。


 ファングボアは肉も毛皮も売れるので引きずって帰ることにする。血抜きの仕方はわからないのでそのまま街に帰る。


 ファングボアの中でも特にでかい個体だったため、とても重くて草木が生い茂る中引きずって帰るのは苦労した。

 

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