表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/45

プロローグ

初めての執筆です!つたない文章ですがぜひぜひ読んでいただければ嬉しいです!

 憂鬱な学校を終えて家に帰ってくる。ようやく高校一年生としての生活を終えて春休みに入る。明日からは学校にしばらく行かなくてもいいというのもあるが、なにより楽しみにしていたあれがサービス開始することもあってとてもワクワクしている。


 友人がいる人間にとっての遠足の前日の気分はこんなものなのだろうか。今まで生きてきて友達と呼べる存在はおろかまともに人間と関わったっことはない。中学生までは親に習い事や勉強を強制されそれどころではなかったし、何より私はもとからコミュニケーションが苦手だ。


 高校生になってからは晴れて両親からの束縛もなくなり自由を得たが、それまで友達一人いなかった人間がまともに友達を作って輝かしい青春を送れるはずがない。


 たまに性別問わず何かの罰ゲームなのだろうが話したこともないのに告白をしてくるやつもいて、無事人間不信の女子高生が完成した。


 でもそんな生活は終わりだ。明日からサービス開始のゲーム「Yours」世界初の完全没入型のゲームでジャンルはMMORPGだ。五感も何もかも再現されて、NPCもそれぞれ独自のAIを積んでいて現実の人間と相違ないという。ゲームのPRのうたい文句「あなたの新たな人生」の通りゲームの世界で新しい人生を始めるのだ。


 心機一転ゲームではどうにか友達とかを作ってみたい。人間不信でもそれ相応に憧れというものがあるのだ。


_______________________


「おはよう」


 「おはよう、灯花」


 朝起きて朝食の片付けをしている母に挨拶をする。昨日はあまりに楽しみすぎてなかなか寝付けず、今日は起きるのが遅くなってしまった。


 テーブルの上に置かれた朝食を食べて自分の部屋に戻る。中学生の時までだったら朝早くに起きるのが強制されて家族全員で朝食を食べるのが絶対だったのだが、今ではそんなことはなく両親がとやかく言ってくることはない。


 何があったのかは知らないが、中学も卒業するころに私に執拗に干渉してくることはなくなったのだ。母は私に習い事を強制する父に否定的だったので母と父の間で何かあったのか、他に原因があるのかはわからないが私にとってはその方が都合がいいのでどうでもいい。


 学校も成績さえよければサボっても何も言ってこないので助かる。あの憂鬱な学校に休まず通うのは流石にキツイ。成績も学年で1位を逃したことはないので不安もない。


 そんなこんなでいろいろとやって時間をつぶしてようやくサービス開始の30分前、キャラクタークリエイトができるようになる13時半になった。


 ようやく始められると部屋に堂々と鎮座する巨大なさなぎのような機械コクーンの中に入り、ドクドクと体に響く心臓の音をそのままにつぶやく。

 「game start」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ