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熱い温泉 怖れる視線

マクロ船へと接続する腰のアームでも、デーナの体を固定させた。命綱と光差剣銃、そしてバイオミーの子機を携え、フードを被り、腕を辿っていけば、煙の出ている場所が目の前に出てきた。岩石の割れた穴はタンポポ・タネ一人を通してくれる大きさである。湯気はおさまりはじめ、蝶型の子機で探り、確認していく。そのまま落ちる穴になっているかと思っていたが、奥まで続く空間ができていた。暗い中で、フードの繊維越しに、ブーツには水が流れていく振動や滴がタンポポ・タネには感じ取れた。

「こちらで中を確認しました。この火山の内部へと続く洞窟になっていますね。明かりを点けて、進みますか? 温泉はもっと奥から湧いてきているようです」

「もちろん。デーナをお願い。なにかあれば、アームで先に回収してくれ。御相手を探してくる」

バイオミーの子機で照らしてもらい、中に入っていく。確かに奥から、温泉が湧き出ている。赤い色をしており、温度は四十度という結果が出ていた。まだ流れ行くままで、薄い水溜まりを歩いて進む。

「狭くはないな。しかも、溜まっている場所があるぞ。窪みか。ここはやっぱり、温泉になっている。あそこの割れ目から源泉が湧いているな」

「リーダーはそこにいてください。確認してみます。ここからは地の底ですね。温められた水があるのならば、雨も降り、マグマからも生まれてくるのでしょう」

「ありがとう。バイオミー。僕の体でも調べてみる。交叉対象にも、関わりがあるはずだ。それにしても、この深さと形で溜まり具合は良く出来きているな。本当に温泉だ。やっぱり、いるぞ。ひとまず、足からいくか」

ブーツの片足を外し、スーツの繊維にある横黒線を下へと引っ張り、解れたところから、ふくらはぎまで出した。極一部に、強固な繊維が外れる組み込みがあるのだ。赤いお湯はこの岩石の物質が溶け出しており、神経痛にも効果があることが分析でわかった。窪みには段差もあり、そこから深くはなるようだ。ここだけが、洞窟のなかで荒れた石が飛び出している中、同じ形と磨かれた手触りや丸みがあった。腰を下ろし、足を入れれば、そこから全体へと心地よさを感じた。しかし、それだけではなかった。足音が聞こえ、視線をフードを取ったタンポポ・タネの横顔が受けた。温泉が吹き出た割れ目から、黒いタイツで固く縛られ、一つ塊となった足指から、細いくるぶし、ふくらはぎときた。そこからは黒色が浅くなり、その一色で肌がやわらく照らされ、力強く、太ましい筋肉の太腿があった。視線はというより、目は閉じられており、立派な紅い角が一本、額から首回りそして胸元へと垂れさがっていた。


ノベルアップと小説家になろうに同時投稿

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