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理想像と人間像
全員が頭を軽く下げて、羽先の小さい片手を伸ばしている。握手や背中を摩ろうとしているようだが、なにも動かない巨人にまた全員揃って、首を傾げていた。
「待っていてくれ。今、私が動かす。これが人間ゲノムのモデル体の一つ、ルーナだ。君たちと同じ、共感や寄り添いの能力を持つ姿だから、小さい手で温めようとしてくれるのなら、こちらもそうしなければな」
ケンペキ・ショウはそのまま宇宙船のアームに運んでもらい、巨大なモデル体の裏の首筋にある発現確認室に入った。デーナの複座とは違い、交叉のみを遺伝子繁栄とはせず、さらに広く高度な精神を引き継ぐことも含めており、それ自体は最悪、いやただ一人生き残っていれば行えるからだ。席に座りトリガーを押せば、バイザーフードには縦方向に無限記号、その隙間を四本の線が眼のように動き、口のように開いては閉じる。繋ぎ、見せるべきものは顔ではなく、構造であり、記号であると言う、一人の人間でケンペキ・ショウのモデルとなったクリーン・アローンの思想だった。人間ゲノム巨人体は片膝をついたまま、大きな両手でペンギンの群れを海風を遮るように覆った。ペンギン達はその手に握手をするように触れ合っていた。
ノベルアップと小説家になろうに同時投稿




