理想像と人間像
辿り着いた惑星は大気は地球と同じであっても、氷と海しかなく、なにもかもが凍えていく中にペンギンに似た生物が寄り添い合っているのが見えた。人間ゲノムを繋ぎ合わせたルーナの核の光は確かに、あのペンギン達を指している。それがケンペキ・ショウには信じられなかった。地球のデータと照合すれば、ペンギンに似てはいるが、人間と同じ大きさで、羽の先に赤子のような小さい手があるのが違いであった。それでお互いの背中を摩り合ったり、強くしがみ付き合っている。精神を宿す知的生命体との交流を予想していたのに、相手がペンギンではどうしたものかと、スーツを着たケンペキ・ショウはかろうじて光を届かせている恒星、それでも広がる寒空を見上げるしかなかった。何匹かのペンギンが集団から抜け出して、棒立ちしている人間に近づいてきた。鳴き声も地球生物データのペンギンにそっくりで、威嚇や警戒ではないことはわかるが、小さい赤子の手をいっぱいに広げたり、豊かな発音の種類からは意思が伝わってくる。
「なるほど。どうやら、ただの畜生ではなさそうだな。さっぱり、言っていることはわからないが、私の名前を言っておこう。私はケンペキ・ショウだ。人間と言う生物で、もはや滅んでしまった惑星から来た。目的は人間ゲノムの可能性のためだ。お前達は、ペンギンか?」
小説家になろうとノベルアップに同時投稿




