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理想像と人間像

デーナの他に人間のゲノムモデルを持った巨大な物質体は宇宙のどこを彷徨っているのだろうか。そのうちの一体であるルーナを今、ケンペキ・ショウが見つけたのである。タンポポ・タネと同じ人間の一人であり、クリーン・アローンの遺伝子と使命を継いだ者である。

「うっ・・・、くっ・・・。やはり、地球の早まった寿命に間に合わなかったか。しかし、モデル物質体の一体が私を見つけてくれたのであれば、まだ一人でないならば、歩み続けなければならないな」

涙を流しながら、オールバックの金髪に深緑の瞳を持つ男性は銀色に輝く、巨大な人間モデル体に頭を下げて、誓っていた。ルーナをシャーク型宇宙船の腹部に収め、モデル状態を涙を拭った目で確認していれば、ゲノム物質核が宇宙へと一筋の光を放っていると、四脚カメ型ロボットのメッカーは電波を言語脳に送ってくれていた。

「メッカー! 本当か! よし! 人間を探し求めに行こう! 願い、創り、紡ごうとする意思宿す遺伝子を持つという誇りがあるからこそ、宇宙と私に託してくれたんだ。同じ源を辿れるならば、生命の理想像をともに完成させられるに違いない!」

タンポポ・タネと同じく、人間の遺伝子を、ゲノムモデルを信じるケンペキ・ショウの宇宙で理想を探し求める旅をルーナは導くのであった。


ノベルアップと小説家になろうに同時投稿

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