覚醒と瞑想
巨大な女豹と残っている群れは慎重に死角を探すようにデーナの周りをゆっくりと歩く。タンポポ・タネは目で追うためにデーナの向きを変えようとしたが、三姉妹のめっという声でそれを止めた。赤角人との交叉状態ならば死角はなく、剣を握りしっかりと構えたままで、雲の流れをすべて捉えるように、激しい荒れ模様が映ったモニターから逃れられる隙間を見つけ出したかのように一歩踏み込んだ。豹の群れが前後左右から同時に襲い掛かる中で、逃れることができれば仲間同士でぶつかり合ってしまい、ひっくり返った彼らへと大剣を振り下ろした。避けられた豹も勢いのせいで遠くへと吹き飛んでしまった。ついに、巨大なリーダー格の女豹と一対一へとなったのだ。
「この足を、いや、この踏み込みをヴィジョンジャンプと呼ぶ。さあ、お連れの者達はゼロになった。女王様と僕達の一対一だぜ」
巨大な黒い豹は一匹になっても全く逃げようとはせず、睨みつけながらうなり声を上げている。体の斑模様はモニターではデーナの周りに纏わり付きながら、ゆっくり動いていく。こちらは下段の脇構えを崩さず、一歩も動かず、ただじっと全体図を眺めている。どこかで遠くで花火の爆発音がすれば、捉えていた雲の目の前で突然赤くなり、渦を巻く。ついに女王が牙を剥いたのだ。
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