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覚醒と瞑想
蒸気やマグマの噴出す位置は見えている。三姉妹にはなにが見えているかわからないままだが、眠っている火山へとともに進み、トリガーを握ってくれていた。黒豹の群れは後ろからぴったり付いてきていても、素早い足で追いつくことはまだなかった。巨大な女豹は残った群れを引き連れて、柄模様を岩肌の流れる火の塊として隠しつつ、狙いを定めていた。ついに眠り込んでいる火山の麓へと到着すれば、前も後ろも一気に囲んでくるのだ。しかし、赤角人達の三姉妹がデーナを開眼させ、角を大きく展開させれば、どこにいようとも豹一匹たりとも逃がさず、視野の中にすべておさめられる広い瞳孔をつくり上げたのだ。光差剣銃を合わせ、一つの剣を両手で握り締め、腰を少し落とし、下段の脇構えを取った。
「群れであっても、どこからでも見えているから、斬る準備はできているぜ。女豹とお連れとも勝負だ」
豹たちが睨みつける真ん中で、デーナは目を見開き、群れを捉えていた。
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