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覚醒と瞑想

後部座席に三人は収まって、トリガーに手を重ねている。一人の手首からしか転写はできないが同じ瞳を持っているから、三人は力を合わせようとしていた。転写可能の表示はでき、まだ固く閉じられた瞳からでも三姉妹の視線を感じたタンポポ・タネはデーナのトリガーを押し込んだ。「交叉する二対の結合! これはやっぱり、言っておかないとな。よし、逃げ道と進む道を探してみようか。開眼するかも、角を伸ばすかも、委ねるしかないけども、デーナの歩みは任してよ。僕の視覚処理では追いつけなくとも、示してくれれば、一歩進むさ」

赤く伸びた角と黒く堅い足、そして一つ目の模様がバイザーに映し出された。転写が完了したデーナの瞳は閉じられたままでも、麓の女豹と火山のマグマの動きが見ることができた。ガスに覆われた暗い惑星の中でも明るい景色を赤角人は捉えていたのだ。山篭りを絶ち、出てくれば、豹達はすぐに気付く。

「囲まれるのはまずいな。バイオミー、光差剣銃をお願い。牽制したら、三姉妹に目指す山を見てもらって、追いかけっこだ。足は速くても、こちらにも強靭な足腰が備わっているんだ」

「わかりました。出します。マクロ船でも火山活動やサーモグラフィーで熱源を確認しておきます」

「まあ、どこまで視えるのかは知りませんが、恐くなったら、いつでも私は大丈夫ですよ。お父さん」

「キュミ キュミ キュイ キュイ キュー」

「聞いたこともない、やかましい音ばっかりだって? 星も生きているってことだよ。今は目で見たほうが早い。合唱を聴くのはまた違う星に降り立った時さ」

マクロ船のアームから受け取った光差剣銃を合わさったまま、光の力のほうで豹の集団へと放った。


小説家になろうとノベルアップに同時投稿

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