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覚醒と瞑想
山の麓には黒い豹の集団がうなり声を上げ、巨大な女豹が爪を研ぎつつ、岩を砕いている。頂上では赤角人が彫刻した像や結晶石に熱視線を込めたり、掘り始めた穴に集まり、外に目を向けている。登ってはこられないが、いつ山が怒り出すかの予測も視えるものなのだろう、赤角人達は目を開き、下を覗き込んでいる。真っ赤な視線は豹の集団に向かっていき、熱を込めた結晶を落とす準備も進めている。巨大な一匹の黒い豹の柄は赤く染まっていく。熱さに耐性があるのはお互いがよく知っている。山に齧りついてはいるが、素早くも細い豹の足では険しい道のりであった。巨大な女豹には結晶も視線も柄模様を色づけるだけで、全く離れる気配はない。一網打尽にできる機会であり、地盤への衝撃は篭っている赤角人に不安を与えるには十分だった。
「精神と本能の根競べか。視線の熱さに耐えられるといっても、火山やマグマという自然の原子にはお互い難しいところだろう。山が怒り出す前にデーナをアピールしとくか、不安を解消できないのであれば、去るだけだ。僕達にも命があるのだから」
タンポポ・タネは山の中に彫刻された像に目を合わせてから、デーナに乗り込もうとしたとき、埋め込まれた宝石の瞳が輝き出した。
ノベルアップと小説家になろうに同時投稿




