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三本の角 一つの石 

スーツの中であれば過酷な環境であっても耐えられることもわかり、温泉に興味が湧いたというのでマクロ船を固定し、いっしょに来たのだった。もうすでに黒い山の中は掘り進められており、光を放つ鉱石が並べられた道筋に驚いた。その理由が赤角人三姉妹の案内してくれた先でわかった。角と瞳の模様が刻まれている太い柱が支える広い神殿がそこでもう作られており、輝く墓石に見えるものが何十本も立てられた中でこの山の主が立っていた。タンポポ・タネと温泉で出会った二人は三姉妹の親であり、開けられた瞳からは涙が溢れ出てきていた。すぐに拭われ、また通常の固く閉じられてしまったのは山の中では目の輝きよりも、鉱石の光を優先するためだと思われた。神殿や墓石は本当に明るく、なんども瞬きをしてしまった。閉じられてしまった目と視線を合わせ、鎖帷子のドレスと鎧を纏った姿と墓石に頭を下げた。

「お墓を作るというのは、ある意味で僕の交叉対象御相手への重要な条件かもしれないな。しかし、すごいですね。もうここまで仕上げてくる技術から見るに、さらにあなた方のことを深く知りたいです」

「メー モク モク モク メー ミー」

二人がまた目を見開き、その視線の光に照らされていたのは、神殿の中で全身が真っ赤に輝いている彼ら赤角人の十体の像であった。目の光はその像を動かすというより、彼らの記憶をそのまま視覚情報として、映像として見せる力もそうだったが、なにより驚いたのが彼らよりも先に住み着いていたのはあの黒い豹であり、この惑星に来たときには全身が本当に輝く赤に染まっていたことだった。

「赤角人はここではない別の惑星から、来たんだ。隕石を文字通りの宇宙船にして、どうやらあの巨大な黒い豹は彼らの技術で掘り出した温泉か鉱石に原因がありそうだな。ともすれば、温泉堀りもとい、石探しもとい、原因究明にデーナでアピールできるかもしれないな」


ノベルアップと小説家になろうに同時投稿

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