女豹と出会う銀色の巨人
渡された鉱物が輝くのは火山の活動をこれで確認しているのだと観察と、下山する道をタンポポ・タネは想像した。洞窟の中で並べられた光は、外へとつながっているようだ。バイオミーの子機も頼りにして、揺れ動く山の中を急いでいく。赤角人は目を大きく開いたまま、その視線の光で逞しい足で立っている下をじっと照らしていた。
「お父さん、おかえりなさい! 心配しましたよ。それに、山肌からすり抜けてきたのですから、驚きました」
「人間でいえば、盲点の光を利用しているのでしょう。住処をカモフラージュしたり、あるいは光線や熱線が外からの粉塵から防護していると思われます。他の方々も出てきました」
「キュネ! キュア キュミ キュミ キュテ」
タンポポ・タネはデーナを留ませてあった頂上付近から出てくることができ、乗り込んだ中で、マクロ船からの通信を受けていた。チーシャが揺れ動いている山や、煙を吐き出しつつある口ではなく、たくさんのあやしい灯火のようなものがとてつもない速さで動いているのに気付き、叫んでいたのだ。
「なんだろう? 速い。赤角人の瞳の色ではないな。むしろ、山から逃げ出しているところに向かっていく。あっ。視線の光が消えていくぞ。バイオミー、マクロ船で捉えてくれ。速さなら、チーシャに頼るか。この環境のデータも僕の体で調べていることだから、交叉に影響してくれる。なにも、過酷な環境で生きられるのは、彼らだけではなさそうだ」
アームで急ぎ、回収されたデーナはマクロ船の中でチーシャを複座にて構えてもらい、トリガーの準備をしていた。バイオミーから灯火の正体判明の報告があった。
「リーダー。灯火は柄です。この速さと身のこなしは動物でいえば、豹に似ています。大きいですし、一匹だけではございません」
「キュネ キュミ キュア キュギ キュク」
「赤角人は、その豹の捕食対象になっているのか。そうだね。チーシャも他人事とは思えないその感情は交叉対象の証だ。じゃあ、試しにいくぜ。デーナでの交渉も兼ねて、交叉する二対の結合!」
ノベルアップと小説家になろうに同時投稿