熱い山 冷たい豹
よく冷えており、酸味のある飲み物は火照った体に染み込んでいった。これはなんだと彼の目と合わせ、尋ねようとしたときに黒い山がうなった。ひどい地響きで体を揺さぶられたが、赤角人が両手でタンポポ・タネを抱え込み、たくましい太腿を支えにまったく動じなかった。しばらくして、おさまり、赤角人は目を見開いたまま、輝く視線で照らしていた。どこも崩れてはいなかったが、彼は視線を下に向けて、どこかにつながっている道をみつめ、タンポポ・タネに一つの丸い鉱物を手渡した。
「指や手があるのは、この鉱物の結果だな。一体、なにが?」
「リーダー! マクロ船から山が動いていますし、彼らとは違う生物が確認できました。この過酷な環境で生きているのは、他にもいます」
「せっかくの温泉だったが、仕方がないな。一旦、マクロ船に戻ろう。山と生物の確認だ。あなたはどうするんですか」
「メメ モク モク モク モク」
囁くような声と、伏せられたまま瞬きもしなかった赤い瞳は、また固く閉じられた。回りの飾られている鉱物はすべて真っ赤に輝いている。
「別を探すのか。リスクはあるけれども、それと同じくらい源泉もありますよ。僕のことは気にせずに、まずは山から出ましょう。お互いに生きていないと」
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