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1ー5 関わる

小麦畑が広がる。夏の風が頬に当たる。小石で舗装された粗末な道が先に続く。この先を進んだ場所に大石の村があるらしい。

アルファ村は、小さな村で閉鎖的な環境の中で自給自足をしているらしい。数ヶ月前に最後に立ち寄った村でその様な話を聞いた。アルを連れたローレンは、この村を目指してから既に1年が経過していた。3歳になったアルは、活発な子になった。旅先で言葉を少しずつ覚え。私の作り話を聞きながら、質問したりキャッキャと喜んでみせたりしながら旅路を進んだ。


△▽△▽△


「アーネム、なんか流れ者がきてるよ。どうします?」

アーネムと呼ばれた男は、この村の村長に近い立場だった。とはいってもここでは、全員で協力しないと生きていけないような場所だ。役割として面倒ごとの纏め役と言ったところだ。


アーネムは、とりあえず流れ者の様子を見に行った。

村の入り口に立っていた。旅人のような風貌で顔は、はっきりとわからないが体格はがっちりしていてるようだ。ただの元村人ってわけでもなさそうだ。それに一番、目についたのはあの子供である。ここら辺では珍しい銀色の髪で無邪気な様子で駆け回っている。


「私は、この村の代表でアーネムと申します。たいして見るものなく、宿場も御座いません。もし、旅路の途中でしたら大したもてなしも出来ませんがおっしゃってください」

アーネムがそう言うと、改めて流れ者の顔を見た。相当な長旅だったのか、初老にもみえるその人の表情は優しくも厳しいそして何処かに悲しげな不思議な印象を受けた。



△▽△▽△


アーネムは、自分でもよく判らなくなった。

彼らは、ローレンと孫のアルだと言う。

数日滞在の予定だったと思ったが、もう既に3ヶ月ほど経過した。ローレンは、歳を感じさせないほど村の手伝いをしてくれた。この村にはいないマナ操作も出来るため、例年刈り取りの時期までに終わらせないといけないほとんどの仕事が彼のおかげですんでしまった。


収穫祭も近い。彼は一時かもしれないが、もうこの村になくてはならない存在になっていた。

人柄のせいなのか、ほんの少し前にあったばかりのなのに何年も苦楽を共にした仲間のような錯覚を覚えるほどだ。多分、彼の誠実さと語りはしないが私にも伝わる苦労があったのであろう。



この村は、70人ほどの小さな村だ。ほとんど家族みたいなもので出ていく者も入る者もいない。ここ最近、といっても3年ほど前ぐらいから流れ者と言われる人々がたまにくるようになった。ほとんどの流れ者は、ここに定着することはなく数日で次の旅路についた。


そんな中、ローレンとアルについて村人の各世帯の代表がこうして村のなんとなく代表のアーネムの家に集まり相談がはじまっていた。


1時間後、、、。


「じゃあ、皆 ローレンとアルをこの村の人間として迎える事に異論ないな」

思ったよりもずっと早く結論がでた。アーネムはもう少し時間がかかると思っていたが肯定する者はいても否定するものは皆無だった。まぁあれだけやってくれた恩人に出てけと言う人はこの村にはいないようだ。


秋の収穫も早く終わったことで余裕が出来たため村人総出で簡単な家を建てた。

「ローレンさん、僕らは皆。あなた方がここに安住してくれることを望んでいる。

ローレンさんがよければ是非、この村で共に生きませんか」


△▽△▽□


今年の収穫祭は、例年になく盛り上がった。

ここ数年、田畑からの収穫量が減っていたからだ山から新しい土を入れるなど工夫をしたものの思ったような成果はえられず。かといって他にいい方法も知らなかった。だがローレンさんが山の猪を生きたまま狩猟してきた。猪は、田畑を荒らすため村人たちは、警戒したが、それは最初のうちで、彼が言うには糞が土に栄養を与えるという。その上、野生の猪が寄り付かなくなった。なんでも糞に地竜の加護を加えることで小動物が竜の縄張りと勘違いして近づけなくなると説明してくれた。

その時は、みんな半信半疑だったがこうして収穫の時期を迎えると

皆、ローレンさんに感謝した。そんな彼がこの村に定住してくれる事にもなったわけだから

村人たちは、来年も豊作を期待せずにはいられず今日の祭りが盛り上がったわけだ。


△▽△▽△


そして、月日は流れる。

10歳になったアルは、山の中をかけていた。

「トンファ!   そっちにいったぞ! このまま罠まで一直線だぁ‼️」

「む、むりーーーー。 あんな大きい猪、私には」

小麦色の肌に褐色の髪、ここらの人は皆こんな感じだ。トンファと呼ばれた少女も同じ特徴をしており長い髪を結って後ろで纏めている。服装は、二人とも動きやすいこの村特製の植物や動物の毛皮をなめして織り込んだ村人の服。オシャレな部分など何処にもないが

トンファの服には、花の刺繍が胸のあたりに一つ縫ってある。

一応、今年で12歳になったトンファは、アルのお姉さん役であり幼なじみといったところである。


木々の間から体長3メートルぐらいの大きな猪が頭を出したかと思うと一気に、トンファの方へ目掛けて走り込んできた。

トンファは、大きく後ろに跳躍して向きを換えると全速力で走った。

後ろからものすごい地響きを感じながら必死に前に進む。あと少しでヤバい追い付かれそうという所で 「「ど、っどっすーん!!」」

後ろにいた猪の姿がいなくなる。


「やった、トンファ! ジャイアント猪 ゲットだぜー!!」

「えー。約束ちがーう。 放牧用の小さいやつだって話でしたよね。どうりで朝からこさえる穴にしては、ずいぶんと馬鹿デカイとはおもってましたが、、、。これオトリが私でなく他の子だったら大変なことに。怪我ぐらいじゃすまない。って聞いてるの❗ アル!‼️ 」


「まぁ、まぁトンファ。結果良ければ全て良しでいいじゃないですか。こいつには、縄張りの効果が効きにくくて畑を荒らされて困ってるやつもいたわけですし。」


「トンファのおかげで無事討伐。こいつの討伐に「「愛する」」トンファ以外誘うわけないでしょう」 軽口で愛するなんて言われても冗談のはずだが急に赤面したトンファは、何も言わずに進み出るとアルの警戒していないお腹にグーパンチをお見舞いした。

ぐぅふ、、、。


「これで、すっきりしたわ。」 

「アル、これ生かして捕らえてどうする予定?」

トンファは、大穴に落ちて気を失ってるジャイアント猪を指差しながらアルの返答を待った。


お腹をさすりながら、大穴に近づいたアルは、おもむろに懐から瓶を取り出して中に入った粉を気を失ったジャイアント猪に振り掛けた。

「これで大丈夫です。こいつ、マナにあてられて気が立ってたみたい。いつもは優しいやつでほかの猪のマトメ役ってかボスみたいな感じ」

「急に暴れるようになったから、おかしいなぁーって、じぃちゃんに相談したら。そりゃ、マナに当てられたなと」


詳しく話を聞くと。この村が他と違い比較的に豊かな土地なのは地脈のマナの量がほかよりも多いから、らしい。アルとローレンさん以外はマナ操作がさっぱりわかない為。へぇーと聞くぐらいだが。そしてあの可哀想? なジャイアント猪は、マナの濃い所にたまに生息するマナキノコなるマナの結晶体を食べてしまったようである。

下手にこの個体を倒してしまうと、折角、村と縄張りで線引きした関係が崩れて。後の方が大変とのことで、このまま気絶したジャイアント猪に振り掛けたマナ酔を浄化する粉をかけって森に帰って貰うそうだ。


気を失ってるうちに大穴の斜面をなだらかにして遠くから見守った。

確かに目をさましたジャイアント猪は、自分の状況を理解したのか素直になっていた。


ジャイアント猪を見送ったあと、アルとトンファは村の方へ戻ろうと帰り道へ向かった。

途中、騒がしい声がきこえた。


「サリード様をお守りしろ‼️ 奴は、また来るぞ。」

1台の馬車が見える。その周りに鎧を着た兵が3人立っていた。


一瞬の静寂があたりを包み込んだとおもうと急に木々がバタバタと倒れ始めた。

ギャーッギャー、ーー❗


馬車の近くで土埃が舞い上がり視界が悪くなる中で、赤色の大きなトカゲが姿をあらわした。

あれは、隣山の主 バジスク「「通称 赤いおおトカゲ」」

あいつは、おとなしい性格でって言うか臆病で人が近づくと逆に逃げるくらい。

ただ、一回怒ると手がつけられない。昔、お爺ちゃんが対応したのを思い出した。


アルは、トカゲの死角でそのチャンスを待った。

トンファといえば、もう足が動かないぐらい恐怖したのかその場で待って貰う事にした。


トカゲは、馬車に向かって急に加速し体当たりをしようとしていた。

させまいと兵が斬り込むが、腰が引けてるせいか剣が軽いため、まったく効いている感はしない。兵は、トカゲの尻尾に吹き飛ばされ呆気なく気を失う。


トカゲは、ますます調子づいたのか再度、馬車に突進をしようとした。

そろそろかな、、、。

アルは、トカゲが警戒していない足元にマナ操作により水の溶解をほどこす。

沼地というほどではないが、トカゲの足元がどしゃ降りのあとのようにぬかるんだようになる。これで、完了。トカゲはそのまま滑ってひっくり返る。基本に臆病なあのトカゲは、どんなに怒りくるってもひっくり返ると急に臆病に戻る。だからここら辺では威勢がいいが立場が急に悪くなって逃げ出す奴を「トカゲやろう」と言うぐらいだ。


ただ、あの臆病ゆえにかなり長い間、隣山の主であり続けている。

トカゲは、あたりを一瞬確認するなり一目散に自分の山に逃げていった。



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