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1ー40 春うららか

△▽△▽


冬も終わりが近い。

畑もだいぶ元の賑わいを取り戻しつつある。

前回作った保存食の野菜達は、意外に評判で近隣住民に配ったところお金を出しても欲しいという希望者が増えたため、改めて予約制で販売事業を展開する事になった。


お金は、大事です。

子供には、お金が掛かるからね。

サリード家のバイヤさん曰く、エマには国家予算の10倍ぐらいかかったと聞いている。


まだ、足りないや。

アルは、親のなるにあたり最近、バイヤさんにアドバイスを貰いにいくことが多い。


本当に勉強になります。

ここら辺のご近所さんは、お金持ちがおおいのか壊れたと本人達が思っている遺物を持っているお家が非常に多い事がわかった。


これは!

商売の匂いがプンプンする。


そこで、修理や調整だけだと旨味が少ないので、騙すようで悪いが最高の方法でお金を稼ぐことを思い付いたのであります。



つまりこうだ。

1、ほぼ捨て値で買取り

2、速攻直す

3、修理品を、超高値で販売

4、維持管理として年間ライセンス契約


これにより、臨時収入と固定収入を手にいれるのだ。


なにしろこの手の商売は、後ろ楯と信用だ。

その点、このサリード家は帝国でもっとも信用ある一族である。

ちゃっかり、それにあやかる。


誰も疑いません。

ゴミ同然だと思ってる物を買い取ってくれるわけだから皆、喜んで売ってくれた。


その噂を聞きつけ国中からスクラップが集まる。

それを全部買い取るのだ最低でも銀貨1枚は出すので、売った方も損した気分にはならないようだ。



不敵な笑みを浮かべる青年がいたことを皆さん知らない。

笑いが止まらない。


買取りが1とするなら売値はその10000倍で値がつく。

つまり、、、利益率99、99%なのだ!


物によっては、1000000倍で売れる。

ヤバい。やばすぎる。



△▽△▽

ある日、いつも通りバイヤさんに親の心構えを伝授してもらおうと部屋に伺った日のことである。


「ムコ殿。」

最近、バイアさんは、アルのことをムコ殿と呼ぶ。


「今日はどのような講義でしょうか。バイア先生!」


「うむ、お金は商売で売って儲ける方法は、十分理解してきた所だと思う。」


「はい、お金を貰う為には売って、売ってうりまくりですね」


バイアは、ニコニコしながら次のステップの時がきたと感じた。

「しかし、ムコ殿には教えていなかったが他にも自分で売らなくても増やす方法があるのだよ」


‼️



な、なんですと!



アルはバイヤさんが言う方法は知らない。


「実はな、金持ちは金で金を増やすのだよ!」


‼️‼️


「どういう、ことですか?」


そしてアルにも判るように講義が始まった。



つまりこうだ!


ある人が儲かりそうなアイディアを思い付く。でも元金がないので始められない。そこで金がいるわけだが、金持ちはそんな人に金を貸すのだ。


それが当たると、貸した金より多くの金が帰ってくる。仮にその事業が失敗しても金を返すことは義務としてあるため。踏み倒されない限り儲かるが損など絶対しない。


なんだ、このふざけた錬金術は!。


これにより金持ちは一生金持ちだそうだ。

だが、その為にはある一定以上の金がいる。


「ムコ殿、中古販売でこの2ヶ月ほどでどのぐらい儲けたのだ?」


「そうですね。、、、、ぐらいですが。始めれそうですか?」



は?

ムコ殿、もう一度おっしゃて下さいませんか?。

聞き間違えかしら


「もう一度お願いする」


「、、、、、ぐらいです」



もう、金いらねーだろそれ!




気づけばこの中古販売及びリース及び維持管理事業を展開して2ヶ月目にはアルの総資金はサリード家の資産の50%ぐらいの超金持ちになっていた。



参考までにだが、この帝国において一番金持ちの家は当然サリード家だったが。第2位の家でもサリード家の一割ほどの資産しかない。

そう考えるとアルがこの短期間で稼ぎ出した額は、常軌を逸していた。


これは、金持ちとしての義務が生じる第三ステップのステージに上らせないと帝国の経済が停滞する局面になってた。


つまり、効果的に消費することで金を流し社会を回すというステージだ!






△▽△▽


帝都には、


アル達が住んでいる中央区。


そのまわりを囲うように


東西南北に4つの区画が存在する。


4つの区画は、大きく分類され階層別になっている。


おもに平民が住まう北区。


役人や兵など国に直接使える者が住む東区。


裕福な商人や権力者が住む南区。


別に貧乏というほどではないが移民が多く人間以外にも多種な種族が住む西区。


そして、南区の一等地に春の訪れにあわせて改築した新しい建物が出来た。

入口には、複数人の従業員がこれまた新調したばかりであろう服装に身をつつみ忙しそうに出入りしている。


その建物には、看板にアルアル鳥をモチーフにしたロゴがデザインされている。

建物の入口の上には社名のような表記がされていた。



『アル財団 本店』


入口からでも中の様子が伺える。

豪華な広いロービーがあり、一番目立つ所にアルアル鳥の大理石でできた彫像が鎮座している。受付には、エルフの美少女が微笑みを浮かべている。


△▽


冬の終わり頃、この空き物件だった建物に一人の少年とこの国で知らぬものはいない人物の二人立っていた。昨年まで大手の商社が入っていたがそこの息子が浪費癖で家を潰したことがきっかけで一等地でありながら空き物件になっていた。


「ムコ殿、何事も始める上で大切なことが一つある。それは何を信念とし起業するかである。金を稼ぎたいとか裕福になりたいとか。そういう次元はもう過去のことだ!


一言でいえば、どんな世界にしたいかと言うレベルの話をしておる」



アルには、信念がある。

世界でもっとも信仰する存在がある。


全ての人間があの偉大さ。

あの素晴らしき存在を知ってもらいたい。


今は、高級で庶民には手がとどかず。優秀な料理人無しではこの世に存在すら許されない尊いものをいかに流通させ、この幸せを共感できる理想の社会にできるか。


信念とは、個人の信仰に等しい。そして他者へその価値観を共有させる行為はエゴイズムなのだ。


エゴイズムとは利己主義であり、他人の迷惑を考えずに自分の欲求を優先する事である。だが!


その要求を満たすこことが出来れば、その個人において幸福度はほぼ満点に近い。その上で他者に迷惑がなければ最高の状態であるといえる。


そもそもエゴとは、人の欲求が存在する事をいう。

欲求が人の行動原理の基本である。欲求が共感されることで社会全体の信仰に変わる。



「アルアル種の畜産と調理技術の大量生産方法の確立」


言うのは簡単だが、どうすればそれが出来るか!

1人では到底無理な事業だ。

だが、人を雇い目的を与える事で一つの目標に向かってベクトルが向く。


そこで、有効な方法が会社を起こすことである。

また社会貢献の一環として専門技術を一から学ぶ事のできる学校を設立させる。そこで育てた人材をまた活用し、今までなかった新しい発見に結びつけるのだ。


全ては、明確な一つの理想の為に。


また、もう一つ理由があるがこれはアルだけが知る世界の理にも影響する。



△▽△▽


「おい。聞いたか? 今日、会長様がくるらしいぞ。どんな方か知ってるか?」

新しい制服に身を包んだ若者が同僚に話しかける。


「ん、聞いた話しだとサリード様の娘さんと御結婚された婿殿が会長とは聞いているが詳しくはしらない。何でも皇帝陛下からの信頼も厚く、次の時代を背負うかもしれないお方だと噂になっている。」


「おー。そんな会社で働けるとは!。てっきりブラック企業にでも入ってしまったかと思ったけど安心した。前の会社より条件がいいのに。謎な誓約書にサインすることが条件だったから怪しんでいたんだよ。お前もあれ疑問に感じなかった?」



「あれか。確かに不思議な内容だったな。給与と福利厚生が充実しすぎて、そっちに目が向いていたから、ほとんど読まずにサインしたけどどんな内容だったかまるで覚えていないぞ」



『誓約書』


1、昼食は、必ず社員食堂を利用する事。

2、昼食のあとに礼拝堂でお祈りする事。

3、始業の挨拶は、部署毎に行い幹部への挨拶も含め以下の構文を社内での決まりとする事

  「アルアル鳥万歳!」


4、、、


そこから30項程度ずらずら書かれている。 


△▽


この内容は、各部署の部屋とロビーの目立つ所に掲示されていた。












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