1ー33 連動
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アルは、案内された中央制御室に入るとすぐに違和感を感じた。この空中要塞要塞バハムの設計思想はまだ解らないが、少なくともそれがこの部屋に無い。ほんとうにメイン制御室なのかと。
アルはさっそく、エマに質問した。
「転移エンジンの制御はどこでするのですか?」
‼️
‼️
‼️
ジル皇帝が思わず返答する。
「アル殿、申し訳ないが質問の意味が判らないのだよ。」
「この空中要塞バハムは、もともと長距離移動する際に転移が基本でしょ。なのにこのメインルームに、その制御コントロールが無いからおかしいなと」
エマは、思案していた、考えたこともなかった。これだけの物体でありながら自身が手を加えるまでろくな移動方法がない要塞であった。古代の遺物であるが上昇下降にこれだけの技術を用いながら、なぜか移動が原理的に低スペックである疑問はあった。
それをアルがあっさりと気付くのである。
そうか。転移であれば移動の概念が根本的に違う。
その存在は、証明されている。誰もが知るアームズである。あれは、物質を顕在させる以外にも単純に転移も可能だった。原理的には存在している。
古代の人が、転移を普通に使っていたとなぜ思いもしなかったのか。
それと同時にエマは、アルに質問した。
「あなただったら。どこにその制御室をおくかしら」
「、、、、最も空間転移における難しさは転移元と転移先の座標設定であるから。これだけの巨体なら誤差を最小限に押さえるために、メインコアのなるべく近くに設置するかな。」
エマは、思い当たる所があった。
サブルームと呼ばれる今、エマが研究施設として使わせてもらっている部屋である。
彼らは、早速サブルームに向かうのである。このサブルームには生体コードによる認証が必要なため特例であるがアルも登録してもらい入室する。
中は、完全に制御室というよりもエマの実験部屋のようになっていた。
部屋の窓からは、この空中要塞バハムのメインコアにあたる動力モジュールが光輝いていた。一言でいうなら幾つもの光る球体が高速に回転して大きな球体を形成している。
アルは、初めてこの制御室に入ったにも関わらず、迷うことなく、あるシステムパネルの前に立つ。
「動力システムから空間転移座標を行う転移モジュールへの供給はこの操作パネルのようだ、、、でもプリズム変換機構に不具合があるみたい。それで直せなくて使えなくなってるみたいだね。」
エマは、目の前の少年が「答え」をあっさり口にすることが理解できなかった。試行錯誤で解にたどり着く私のような研究者とは違う。明らかに。その存在を、最初から知っている。そして理解している。
「アル、、、どうしてそうだと判るの?」
エマは、誰しもが思う疑問をアルに投げ掛ける。
「わかんないけど、判るといったほうが正しいかも。自分でもよく判らない。」
そんな感じで、ギム皇帝が当初予定していた観光ツアーは、ここで中止となる。アル殿とエマ嬢の興味がそちらに向いているうちに動いて貰ったほうが国益に繋がると判断したためだ。
若い二人を残し。皇帝と騎士隊長のレジュダは、部屋を後にした。
△▽
「エマ、そこのプラグを取って、向こうのコネクターに繋いでください」
「あと、量子変換の変換速度パラメータの補正値を計算してもらってもいい?」
エマは、楽しかった。いえ、幸せだった。
彼女は、頭脳明晰と周囲から言われた。教えることはあっても教えられる事など帝国内の人材にはもういなかった。新しい発見は、自分自身で考え成し遂げなければならなかった。
エマは身体が勝手に動いていた。
彼の作業する背中を見つめる。
気付くと彼女は、アルを背中から抱き締めていた。
「アル、抱いて」
△▽△
アルは、動揺していた。
え、エマさん。今、何とおっしゃいましたか。
ちょっと展開が早い、まわりには皇帝や、、、あれ誰もいない。
初めて会った時の事を思い出す。
かわいい、、、、、。あの大とかげを撃退して、馬車の中で初めて見た時に初めて感じた異性への感情を思い出す。
でも今は、二人も大切な存在が既にいる。
「それは、出来ないよ。エマさん」
それを聞いたせいなのか、感情が高ぶっていたせいなのか判らないが。
彼女は、目に涙を溜めていた。
そして、彼女はアルを無視してドレスのボタンに手をかける。
彼女は、着痩せをするタイプなのかドレスを下ろすと豊満な胸があった。
恥じらうように、股の間は手で隠していたがアルに口付けをしてそのまま押し倒した。
もうこうなったら16歳を越えもうすぐ17歳になる青年を止めるすべは、存在しない。
△▽△▽
彼女は、女になった。自分が好きな相手と出来ることがどれほど難しいことかを知っていた。けして許されない事だったかもしれない。由緒ある名家の娘として産まれ。幼い頃より、両親の期待を背負いそして、信念をもって生きてきた。
その相手がアルならどんなに幸せだろうと、夢にみてきた。一生、叶わない夢だとも判っていた。でも目の前にその機会がある。彼女は、衝動を押さえることなどできなかった。
私は、アルを愛してしまったの。もう、お父様も名家で有ることも全てを捨てる覚悟ができてしまった。
彼の暖かい胸に抱かれ、彼女は幸せだった。
△▽△▽
うん、トンファとニアにはちゃんと言わないと。
アルは、決心した。
本気で話せば、許してくれるはずだ。
そう信じながら、服の乱れを元にもどす。
エマは、まだ裸だが研究室には簡易の毛布が常備されており、それにくるまっていた。
エマに暖かいお茶を出す。それもこの部屋にティーセットが常備されていたのを借りた。彼女は、それを受け取り静かに飲み干す。先ほどまでと比べて少しは冷静になったようだ。顔を赤らめ、とても可愛かった。結果的に受け入れてしまったのだ。男である限りアルは、しっかりエマも守らなければならない。
誓おう。まだ妻達の同意は取れていないが。
そうして落ち着いたエマと再度、熱い口づけして、気付けばまた交わっていた。
△▽△▽
お嬢様を止められなかった、、、、。
トロアは、一人遠くから事の成り行きを見ていた。
サリード家につかえる者として、止めるべきなのが正解だったはずだ。
だが、エマ様が一人の女性であること。そして同じ、女として理解してあげるべきと良心よりも感情のほうが先行してしまった。
自分があっていたのか、間違っていたのかは判らない。
だが、この二人を離れさしてはいけないとトロアは、思ったのである。
今日にことは、秘密にしておこう。
そして、トロアもその一連に行為を見ていたためのせいか、女のうずきを感じていた。そう言えば私に必用に誘いをする者がいたような気がした。
彼女は、今まで無視し続けていたが少し誘いに乗ってあげても良いかもしれないと思い直すにであった。
△▽△▽
ある程度、夜になったところでエマの世話役でトロアさんと言う方が夕食の準備が整ったので展望ラウンジに来るようにと呼びに来てくれた。
プリズム変換機構の修復のための理論設計は終了したのでちょうどいいタイミングであった。アルとエマは、トロアさんに先導されながら夕食の会場へ向かった。
アルが到着すると既にギム皇帝や、騎士隊長のレジュダさん、トンファやエマも席についていた。
女は、勘がいい。とくにトンファは凄く勘がいい。
ニアもエマさんからアルの匂いがすることに気づいた。
そして、トンファは小声でアルの耳元で囁く。
「いない間にずいぶんと、私のエマと仲良くなったみたいだけど話は後で聞くかしら。今は楽しみましょ」
「はい」
男は、いつの世も女の手のひらの上で生かされていることを歴史は証明している。
ギム皇帝の興味は、アルが見つけた転移に関しての進捗や。客人を働かせるような真似をしてしまった事への謝罪。そして今後の可能な限りの資金的な援助と。ここの言い方がセコいのだが帝国としてではなくギム皇帝個人として研究室に参画して欲しいとい相談だった。
このまま、冬になるのでどちらにせよ。期間は春までとして了承した。
あくまでも旅人である。そこの所は、譲るつもりはなかった。
△▽△▽
その夜の事。エマにも後から部屋に気て欲しいと頼んでおいた。
いま、部屋にはアルとトンファとニアがいる。
アルが正座した状態で。トンファとニアが迎えの椅子に座っていた。
アルは、沈黙して妻達に言葉を待った。
「アルぅーー!。」
どこでそんなものを作ってきたのであろう。
紙をたたんで扇状にしたものでアルの頭を叩いた。
「私達じゃ、満足できないっていうことかしら」
「・・・・・・・。いえ、満足どころか。それ以上でございます」
「なら、よろしい。では、ことの成り行きを出来る限り正確に説明せよ。あ、行為そのものも。正確にどうやってどう感じたか。何をどう舐めたかなど。嘘偽りのない証言をせよ。」
そうして、第一回目の家族裁判が開廷した。
アルは、正確に記憶の許す限り嘘偽りのない証言をした。
でも2回目の行為は、少し伏せておいた。
裁判長であるトンファが副裁判官であるニアに追加質問も求めた。
「判決にあたり何か、なにか質問はないかね」
「アルさんの話では、事は1回ぶんの説明のようですが私には、被告人がその点において嘘はついていないが、隠していることが有るように感じます。」
トンファは、アルを見つめ薄ら笑いをする。
「そうだった。忘れておったは、こやつが1回で満足するはずなどない。
被告人、最終的に何回だ!」
「それは、どういう意味での回数でしょうか?」
アルは正直者である。
「そうだな、何回。彼女の中に出したかを回数としよう。被告人何回だ!」
「はい、4回でございます」
トンファとニアは、ガッツポーズをした。
「私達のほうが回数は多いわ。勝利ね」
「主文は、エマさんが来たところで言い渡す。被告人は、準備せよ」
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部屋に戸をノックする。
エマは決心した顔で部屋にはいる。
そして、彼女の心は決まっていた。謝るつもりなどない。
エマは、それでも部屋に入ると不安になった。
ソファーにトンファねえ様とニアさんが座って手招きをしている。
あれ、なんか想像とちがう。
罵声と、汚い雌とか言われると思っていた。
でも美味しいお茶とお菓子が出されてなんか、初めての女の子だけのお泊まり会のような感じになっていた。
そこで、アルのどんなところが素敵とか。あれをしている時の何が好きとか。3人しか知らないアルの秘密とかを共有するのである。
エマは、つい聞いてしまう。
「ねえ様達は、私を怒らないのですか?」
「え、どうして。だってエマはアルが好きなんでしょ。別にアルは誰の物でもないし。でも勘違いしないで、こういう関係は誰にでも許すわけじゃないのよ。エマさんだから許せるの」
「私達って皆、血は本当の意味では繋がっていないし、それぞれ問題や悩みは抱えているけど。それを共有するのが家族じゃない。」
「私達、家族になりましょ。」
エマは、トンファの胸に抱きついて号泣していた。
温かい胸に顔を埋めて、子供のように泣いた。その頭を優しくトンファは撫でる。
「どうしてか、私のまわりの子は皆。泣き虫なのよね」
そう言うといつの間にかニアもトンファの胸に飛び込み。二人を抱えるように二人の頭を撫でるトンファであった。
そのころアルは、、、、、。
部屋の向こうの寝室に一人取り残されベットにくくりつけられていた。
そして、その晩は新しい妻も参加して長い夜であったという。




