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1ー12 教える者

アジェルーダは、予定を変更する事になる。ローレンは、あの日から人々に畏怖される存在の老人に対して初めて出来た友達のように接した。老人もまたこの少年の言動の一つ一つが自分がずっと求めていた答えそのものだった為。いつもの彼を知るものがもし近くにいたならば天地がひっくり返った事のように驚いたはずだ。


「ねぇ、アルじぃ。さっきのところからこっちまで同じだよ」

ローレンは、そんな大物がその人だと分かることもなく、皇帝でさえ畏怖する存在にたいしてタメ口で、会話をしていた。

アルジェーダは、そんなことなど気にもしないで感動に近い表情でその「「答え」」を聞き必死に何かの計算を行っていた。


次々に、いままで解くことが出来なかった問題に正解した子供のようにアジェルーダが喜ぶ姿をみた少年は、初めての友達と外で遊ぶ約束をした。


君主である父は、気がきではなかった。王国と帝国から半ば押し付けられる形で大賢者の訪問を余儀なくされ、断ることもできず承諾した感がある。当初は、一晩だけの滞在の約束であった。大賢者ともなれば小国の君主にすぎない者はからしてみれば雲の上にいる存在であり。一度でも粗相があれば全ての周辺国からそっぽをむかれるぐらい絶大な影響力を持っていた。


それなのに、有ろうことかそんな存在にタメ口で約束を取り付けてきたのが息子とあれば親である者ならば死んで詫びても取り返しのつかない事をしてしまったと思うわけである。


そんな周囲の心配を知ることもなく、アジェルーダことアルじぃと初めての遠足にいくのであった。


「アルじぃ、初めてみる奴がいる。すごい、あれスゴいよ‼️」

アジェルーダは、ローレンが指差す方向に目をむけた。そこには、ただの花が一輪さいていた。



アジェルーダは、自分より遥かに幼い子供に丁寧にたずねる。

「アルじぃは、目が悪いからのぉー。ローレン、すまぬがこの老いぼれに何がみえるか詳しく教えてくれんかのぉ」



少年は、老人に。いや、初めて自分の事を理解してくれる友達に正確に自分の見えるものの全てを教えてあげるのであった。


「あの花の下、根っ子の部分がすごいんだよ。根っ子がとんでもなく長くて見えないぐらい。あれたぶん、町に戻る道よりずっと長いと思うよ」


10cmほどのどこにでも生えてそうな普通の一輪の花。根っ子と言われても土の中だから普通は見えない、だけどローレンはそこにとてつもなく長い根っ子があるという。ためしに土を掘ってみるとアジェルーダは、驚愕する。少年が言ったように根っ子は掘っても掘ってもどこまでも続く。


「あー。だめだよアルじぃ。あんまり掘ると花がやる気なくしちゃうよ」


「やる気って、この花は何をやろうとしてたんじゃ?」


「え、とね、この花は後ろの森に一生懸命に栄養を運んでいるみたい」


たしかに、この花を境に奥に永遠と森が広がる。ローレンが言うには、この花がこの森の全てで一つと同じであると言う。


「もし、この花を摘み取ると、どうなるのじゃ」


ローレンは、少し考え事をしてから


「どうなるかは、わからないけど困るみたい」


本当は、認識できない存在をローレンが教えたことでアジェルーダが見える事が出来ただけで普通はみる事すら、できない花なのだというのだ。ためしに次の日、アジェルーダが一人で同じ場所を見に行った所、昨日まであったはずの花などそこにはなく代わりに大きな木が生えていた。確かに、これは摘み取るレベルではない。




△▽△▽△▽


アジェルーダは、三年の月日をこの土地で過ごす事になる。

一部では、大賢者が旅先でボケてただの老人になったと噂されるほどであった。


ローレンの父である小国の君主も最初は、心配していたのだが噂と違う老人をいつ頃からか、ただの物好きな老人とだけ思うようになった。


ローレンは、長男であり王国とは違い世襲制度により君主にいずれなることが本来は約束されていた。だがこの奇妙な老人との生活が長く続いた事で少年の常識が非常識であることを誰も教えることができず。少年はこの国で初めて長男にもかかわらず、全ての家臣がそれに反対した。本来ならば君主はそれに激怒するが同意せざるおえなかった。


ローレンは、アルじぃと住み慣れた土地をはなれアルじぃの家で住む事になる。

マナの研究で世界の中心とまで言われる私設集団アーク。そのトップである大賢者アジェルーダが三年ぶりに事前連絡なしに帰ってきたわけである。その上、10歳にも満たない子供と楽しそうに会話しながら門から入ってきたので、当時のもの達は噂は本当だったと思い込んだのも事実である。


しかし、大賢者アジェルーダは直ぐに研究者全てを集めマナの本質。いままで不明だった一部の分類に関する正確な定義。そしてなによりも一同を驚愕させたのは、空間におけるマナの干渉とそれによる物理的な変換の事実であった。


この一同の研究者の中に、この突拍子もない説明を瞬時に理解する若者がいた。それがのちにかの王としてアームズを発現する者である。


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