4話 仕掛け
緑色の魔石をポケットにしまった俺は、ステータスを開く方法を探すことにした。
「ステータス!」
「ステータスオープン!」
「ステータス開け!」
「ステータス開けゴマ!」
「オープン!」
「ステータス表示!」
「...」
開けそうな言葉をたくさん言ってみたけど...他に開けそうなのあるかな...
あ、展開とか?
「ステータス展開!」
やっぱ無理か...
うーん、開けない。街まで行くのが危険だからな…人にも聞けないし。
都合よく誰かこの森に迷い込んでくれればいいのに。
食料もこの辺の森になさそうだしなぁ...
神様も──────蟹様も、もう少しいいところに送ってくれても良かったんじゃないか?
...はぁ───────
することがない......
俺は大の字状に寝っ転がる。
「あ」
見上げた天井には日焼けのようなあとがあった。
...天井の隅の方だけ、色が薄い。最近まで何か、置いてあったのか...?
もし、置いてあったとしたら床の方も焼けていないはずだ。
寝っ転がったまま、芋虫のように移動する。
部屋の隅は日で焼けていなかった。
...やっぱりそうだ。問題は何が置いてあったかだな。
この小屋が何のための小屋かわからないし。
もし、軍事機関とかだったら危険なものが置かれてたかもしれないもんな。
そう思い、何か不審なものがないか小屋の隅々まで探す。
なにかあるかな...
さっき調べなかった、家具の裏を調べていると
「あ、あった。」
机の裏側にくぼみが出来ていている。
大きさはちょうど1.5cmほどだ。
...このくぼみ何かいれんのか?
このサイズのくぼみに入れるものといったらアレしかない。
それは、─────緑色の魔石だ。
...オッケ。ぴったりだな。
魔石はうまくはまった。だが、何も起きない。
んー、他に何かあるのか...?
「!」
俺は机と椅子を部屋の隅に移動させる。
(ウィィィィィン)
(パシュッ)
音がして、今までなかったはずの机の真下の床には緑色の魔石が埋め込まれている。
...やっぱりだ。
小屋の隅の日焼けのあと。机の裏側にあった魔石。
この2つをうまく利用することで仕掛けを出すことができる。
俺が今したことはこうだ。
まず、日焼けのあとに合わせ椅子と机を移動させる。
コレだけだ。
机の裏には移動させる前に魔石を埋め込んでおいたからだ。
透明化の魔法で床に埋め込まれた魔石は隠されていた。
木箱にあった、机の裏のくぼみにいれた魔石と、所定の床に埋め込まれた透明化のされた魔石の2つを向かい合わせることによって、隠し扉が現れる仕組みになっていた。
机を移動することと魔石を埋め込むことが扉の出現条件ってわけだ。
移動する前の机が合った位置に地下につながる扉があった。
家の台所の床下収納みたいなとびらだな...
せーのっ!
扉の取っ手に手をかけて、一気に持ち上げる。
簡単に持ち上がった扉は勢い良く飛び、90度をキープした。
扉の中は縄梯子がかかっている。
下の様子はいまいちここからじゃ見えないな...
下になにがあるかわからないし、十分注意しないとな...




