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34話 薬

「ごめん、はっきりと言わせてもらう。──────君の料理は、まずい。」

言っちゃった、怒るか...

「あ、あ、あの──────────」

絶対、何様だって思われてる。早くなんか言わないとマズイ


「俺は───いや、俺も料理人なんだ」

─────────────────────

「俺は───いや、俺も料理人なんだ」

へ?料理人って3人しかいないはず。

嘘なのか?

料理してみてくれとでもいってやろうか...

いやいや、お客さんに向かってそんなことは言えない。

やっぱりこの人の実力を見たら...いや、実力があったら教えてもらおう。

「トシキさん、料理できるん───」

「だから厨房、貸してもらえないか。」

え?トシキさんに遮られたがトシキさんの口から出た言葉は予想外だった。

今がチャンス。

「いいですよ。お好きなように使ってください」

「ありがとう。で、材料って何が?」

材料と言ったらメコギムだけだろう。それ以外に何を使うというのだ。

「メコギムにだけですが」

僕がそういった瞬間にトシキさんは目にも留まらぬ速さでレストランを飛び出していった。


逃げた!!!!


─────────────────────

聞いたところによると厨房にはメコギムしかないらしい。

さっきはひどいことを言ったがしっかりと謝ろう。。そう思いながら材料を探す。

走りながらひたすら進む。


くらい...

走っているとある裏路地にでると、怪しげな男たちが話しているのが目に入った。

「おそいな。」

「あたらしい薬って言ったら飛びついてたもんな。」

「ああ、今度のは甘いんだよな。」

「ああ前のやつとは違うやつをよこすと言ってたが遅い」

「毒はなさそうなんだよな。」

「疲れた頭によく効くしな。」

「原料ってなんなんだ。」

「秘密だと、だが何かの植物らしい。そいつ自体が甘いんだと」


俺は男たちの会話を聞きながら考えていた。

男たちは薬物を取引しているようだ。相手を待っているらしい。

問題は薬物だがおそらく砂糖だろう。

相手が来る前に相手のふりして奪ってみるか。

砂糖じゃなくてもギルドにとどければいいしな。


「遅れた。ギルドの規制が激しくてな」

とりあえず適当なことを言って近づく。

「この前はジジィだと思えば今度はガキか。」

「ああ、新入りだ。だがガキだと思って舐めてると容赦しないぜ。」

きっとこのガキは強いのだ。

「ひひひ、そうか。」

「さっさと薬を渡せ、金はある。」

「随分短気なんだなぁ」

「まぁいい。先にカネだ。金貨1000枚だ。」

1000か、高いな。

だけどさっき見つけておいたこのスキル、幻影を使えば...

「おお、金だ。カネだ。」

男たちは地面に落ちている落ち葉を必死にかき集めていく。

薬はもらっとくぜ、俺はそう言ってその場から逃げ出した。



...怖かった

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