32話 旧時体
一通り剣の練習をするが、剣の使い方はほぼPROと同じだ。
最初は剣の重さに慣れなかったが、すぐに重い方が振った後の威力が大きくなるということに気が付き振り上げた後に力を抜いて練習を始めると簡単に剣を振り下ろすことができるようになった。
ふぅ...汗もかいたしレストランにでも行くか。
タオルで顔を拭き、部屋の外に出た。
レストランは─────7階だったかな....
地図を見て、階数を確認してから坂へ向かう。
1階くらいの移動だと平気なんだけど、7階までくるとな.....
坂って楽だけど辛いんだよな、下りとか特に。
坂は1階上がるのに2回登る必要がある。
1階、坂、踊り場、坂、2階というふうになっているからだ。
楽しちゃお
「中・走力増加」
足が早くなりどんどん登っていく。
だが、足には通常の倍以上の負担がかかっている。
足がガクガクになりながらも7階のレストランにたどり着く。
こんなに足に負担がかかるならやめとけばよかった。
後悔してももう遅い。
レストランの前には看板がある。
『夕暮れ4時(8時)〜夕暮れ7時(11時)』
8時から11時までか。夕暮れってなんだ?
夕暮れが4時でそれから一時間で1時ずつ増える仕組みなのかな。
レストランの中に入るとウエイターに声をかけられた。
「お一人様ですね。部屋番号はいくつでしょうか。」
「1023号室です。」
「わかりました。少々お待ちください。」
ウエイターはカウンターの中にある紙を見ている。
パソコンの代わりのようなものだろう。
何号室のだれか確かめているのだろう。
「失礼いたしました。トシキ様ですね。こちらへどうぞ。」
そしてレストランの奥の方に案内される。
一段と豪華な机にたどり着く。
「ここでございます。ごゆっくりどうぞ。」
「あ、あの。なんでこんな席なんですか?」
「ワーナーさまのお客様なら当然です。」
「そうですか....あ、そういえば、夕暮れ何時って何なんですか?」
「トシキ様はお若いので知らないと思いますが古い言い方です。
確か19年か20年前くらいに0時から26時までに定められてから今の呼び方になったんです。それまでは朝方、昼間、夕暮れ、深夜とそれぞれ何時とつけられて呼ばれていたんです。25歳位以上の人で昔の言い方を使う人はいますね。レストランのオーナーが好きなんです。旧時体が。旧時体はわかりにくいので無理に覚えなくてもいいと思いますよ。」
「わかりました。複雑そうですね。」
「そうですね。私も旧時体が苦手なんですよ。20代後半なのに...」
このウエイターさん20代だった....
そして一日が26時間だった。
時計見てたけど13まであるの全く気が付かなかった。盲点だった。
「注文は何になさいますか?」
旧時体や時間を覚えなくて良いです。
だいたい、日本と同じだと考えてもらって構いません。
23時か〜、夜遅いな〜程度でいいです。
一応表を載せときます。
0時:深夜時
1時:深夜1時
2時:深夜2時
3時:深夜3時
4時:朝方時
5時:朝方1時
6時:朝方2時
7時:朝方3時
8時:朝方4時
9時:朝方5時
10時:朝方6時
11時:朝方7時
12時:朝方8時
13時:昼間時
14時:昼間1時
15時:昼間2時
16時:昼間3時
17時:夕暮れ時
18時:夕暮れ1時
19時:夕暮れ2時
20時:夕暮れ3時
21時:夕暮れ4時
22時:夕暮れ5時
23時:夕暮れ6時
24時:夕暮れ7時
25時:夕暮れ8時
26時(0時):深夜時




