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28話 逃走

店のレジに並ぶ。超大人気店らしく長蛇の列ができている。


暇だなぁ.......

自分のスキルを見ていると


暇つぶしを習得しました。


目の前にウィンドウが表示された。

暇つぶしってどんなスキルだ。

そう思っていると


暇つぶしを使いますか。

YES       NO


もうひとつのウィンドウが表示された。


今は暇だしやってみるか。

そう思いながら右手を前に出しYESを押す─────


「ちょっと君こっちに来てくれないか。」

突然体格のいい大柄の男の人に腕をがっしりと掴まれる。

そして、レジの列から引きずり出される。


え、どうなってんの。へ、なんか悪いことしましたか?私。

万引きと間違えられたとか。

どうしよう。

暇つぶしも押せなかったし

どうすれば良いんだ!?


「来い。」

男の人は腕を掴んだまま俺を引っ張っていく。


「え、なんでですか?なんかしましたか。俺。」

「グチグチ言ってないで速く来るんだ。ほら速くしろ。」

「いや、でも何もしてないですよ...」

「そんなことを言ったって無駄だ。速くしろっ!」

口調がだんだんと悪くなりながら大声で叫ぶ。


何事だというふうにレジに並んでいる人たちはこちらをみてくる。

「ままー、あのちと なにちたのー」

「あの人はね、悪いことをしたのよ。きっと。」

「わりゅいこと?」

「そうよ。わるいこと。」

小さい子供連れの親子がつぶやく。


俺は悪いことなんかしてない。

とりあえず、このまま知りもしない人に見られ続けるのは気分が悪い。

「中・認知妨害」

この男の人ごと認知妨害をかける。


これでほかの人から気づかれずになったな。


「おい、下手な小細工視点じゃねぇだろうな。」

「え、?いや、してないっすよ。というかなにもしてないですよ。」

「どーでもいいから来るんだよっ」


何もしてない人を捕まえようとする、どーでもいいですまされねぇだろ...


ん...?そういえば、この人が店の人だと思ってたけど、その保証はないな。

と言うか、人さらいの可能性の方が高くないか。

....だけどなんで俺なんだ。弱そうだったからか?

それとも....冒険者だったからか?

お金は持ってなさそうに見えるもんな.....あ?


ああ!!!!!

そうか、この剣持ってたからじゃないか?

高級なものを買おうとしている人はお金を持っているはずだもんな。


金持ちを襲う....


ってことはこいつ、ホントに人さらいじゃねぇか。

ヤバイ。逃げないと。冷静に冷静に。


とりあえずさらわれても認識妨害が発動してたら誰にも気づかれないでさらわれるな。

じゃ、認識妨害を解除して.....

走力を上げる。極だと強力すぎるから.....

「中・走力増加」

そして俺の手を掴んでいる手を振り払ってダッシュ。


よし、逃亡成功だ。


男は首につけていたマイクに口を近づけて喋る。


「目標が逃亡。A班B班C班応援を頼む。残りのメンバーも援助を。」


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