27話 店
「まぁ、考えてても何も進まねぇだろ。今日はもう、試験受けられねぇから明日だな。俺が特別に相手してやる。」
「わかった。明日来る。」
そう言って俺はギルドをでた。
...試験って戦うのか?戦うとしたら剣か?スキルか...?
どっちになっても良いようにとりあえず剣、持っとかないとな。
剣か──どっかで売ってるのかな......
武器屋はどこに───
そして、ふと思い出す。
ワーナー商店で売ってるかな。
まぁ、とりあえず行ってみるか。
街をぶらぶら歩いていると道に大きな影がある。
ん、何だこれ。
そう思い上を見上げる。
そこには街一番の大きさの看板があった。
でっか...何だここ。
看板の文字を見る。
『ワーナー商店』
............ん?わーなー?
わーなーってワーナーさんの......?
え...?
コ ン ナ ニ ス ゴイ ミ セ ナ ノ カ.....
ワーナーさんってだいぶすごい人だったりする?
こんなに大きい店を持ってるワーナーさんって何者...?
店の前でただ呆然と看板を見ていると、
「なにかお困りでしょうか。」
と女の人が笑顔で声をかけて来た。
「いや、ワーナーさんってこの店の───?」
「はい、オーナーでございます。このワーナー商店のですね、トップの方ですね。」
「ワーナー商店に武器とか売ってますか?」
「はい、武器なら有りますよ。剣ですとか、杖ですとか、棍、鞭、弓、斧、鎌、槍、爪など
様々な武器を取り揃えております。」
「わかりました。ありがとうございます。」
武器の品揃えが豊富なようだ。
いい武器あるといいな。
そう思い店の中に入る。
...涼しい。
店の中は空調が行き届いていて過ごしやすい。
客層も多く、家族連れや冒険者、主婦など様々な客がいる。
地下5階から地上5階までの大きい店だ。
ワンフロアも大きい。
...これ大型ショッピングセンターより大きいぞ。
ワーナーさんここのオーナーなのか。すごい人だったんだな。
武器はどこだろう...
入り口には店全体の地図が貼ってる。
種類別にフロア分けされていて、わかりやすい。
3階の右側か。
エレベーターやエスカレーターのようなものがないため全て階段だ───
と思いきや坂になっている。
...階段もないのか。客はいつも通りと言った風に登っている。
当然、エスカレーターのような便利なものを知らないのだろう。誰も不満そうにしていない。
今度会った時、言ってみようかな。
坂で3階まで登る。
3階にも3階の地図があった。
入り口の地図より詳しくなっていて、武器の製作者まで書いてある。
とりあえず、お金はこの前のが残ってるし『一流鍛冶屋のテツザン』ってメーカーの買ってみようかな。
メーカーなのかはわからないけど。
『一流鍛冶屋のテツザン』のコーナーに歩いていく。
剣は台所の包丁入れのようなものでしまわれていた。
「鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定・・・・・・・・・・・・とても中略・・・・・・・・・・・鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、鑑定」
とりあえず俺は片っ端から剣を鑑定していった。
その中で一番高性能だと思った剣を手に取りレジカウンターの方に歩いていった。
今の持ち金で足りなかったら諦めよう。金貨10枚と銀貨4枚しかないしな。




