26話 争いの種
ギルドに入り、エレとジョーシを探す。
受付と買い取りカウンターを見るがいない。
「ジョーシさんを呼んでくれ。至急でたのむ。」
仕方なく受付にいた真面目そうな人に頼む。
「わかりました。今すぐ。」
そう言って、メガネをかけた男の人は後ろに入っていった。
「トシキだな。」
「名前はしりませんが、至急でと言っていました。」
「そうか。」
そう会話しながら2人は小走りで向かってきた。
そして、俺のそばに来ると
「それでは私は。」
と言って男の人は受付カウンターに戻っていった。
「トシキ、何か合ったのか?」
ジョーシは受付カウンターから離れるように歩きながら話しかけてきた。
混沌の悪魔のことは秘密なのだろう。
「ああ、混沌の悪魔の二人組だがアレはロボ助の自爆のせいじゃなかったんだ。」
「そうだったのか?」
「コレを見てくれ。」
そう言って俺はさっき見た映像を見せながらジョーシに説明をした。
「...そういうことだったのか。混沌の悪魔の自爆ってことだな。」
「要するにそういうことだ。 」
「...さっきの襲撃のところで一旦止められるか?」
「じゃあ、止めるところで合図してくれ。再生するぞ。」
「て、敵襲だ。」
「うわああああ!」
「盗め!盗め!ラッキーだったな。」
「親方、本当にラッ─────────
「ここだ。」
ジョーシに言われて俺はビデオを一時停止させる。
「この親方って呼ばれているやつが写ったところで止められるか?なるべく大きい方がいい。」
俺は少しビデオを進めてから一時停止をした。
「鮮明度をあげられるか?顔がいまいちわからねぇ。」
「鮮明度なら確かこうやったら......」
俺は画面を押して調節する。
「───────あっ!」
俺が鮮明度を上げているのを見ていたジョーシだが、顔がはっきりと見えるようになると声を上げた。
「こいつ、キヘロのやつだ。」
「キヘロ?なんだそれは。」
「キヘロ盗賊団だ。盗賊の中じゃ最高の強さと技術を持ち合わせてる。キヘロ盗賊団には幾つかのグループがあってな。ま、AグループBグループみたいにあるんだ。こっちも正式名称は知らん。その中で一番低いグループがこいつらだ。ワードドって言ったような。」
「ってことは混沌の悪魔とキヘロ盗賊団が対立したってことか?」
「いや、さっきお前が止めたところを聞いてみろ。落とし穴に落ちたと思ったら何かのアジトだったなんて って言ってるだろ。相手が誰なのか知らないんだよ。だが、おそらくもう混沌の悪魔の幹部は知ってんだろうね。奇襲された相手がキヘロ盗賊団だって。」
「ってことは、戦争が起きるのか?やっぱり」
「いや、両者とも犯罪グループだろ、だから堂々と戦う訳にはいかないと思うんだが、実際の話わからねぇな。国ごと巻き込んでくるかもしれないからな。」
...なんか結構ヤバイことになっている気がするのは間違いではないですよね。




