22話 方法
「誰がやったのか分かる方法有りますよ!」
そういった途端エレの眼が輝く。
「あるんですか!?こ、これは明らかに試験妨害ですね...これはジョーシさんを呼ぶ必要がありますね。待ってください。すぐに呼んできますんで。」
呼ぶ必要あるのかな...
そんな疑問を置いといて、俺はその方法を実現させるための準備をする。
「はぁーい。呼んできましたぁ。」
エレが声を上げながら駆け込んでくる。
その後すぐにジョーシがやってくる。
「何が起きたんだ?」
全く知らないジョーシがこちらを見て聞いてくる。
「はぁーい。わたしがせつめいしまぁーす。」
テンションが上っているのか何かいつもと違うようなキャラのエレが勢い良く説明していく。
ジョーシはときどき顔を思いっきり変えながら様々な表情をして聞いている。
「よーくわかった。何者かが仕掛けた落とし穴にトシキがハマったと。ほぅほぅ。」
数分話を聞いていたジョーシが言う。
なんかちょっと変な伝わり方してるような気がするけど...
「そういうことです。で、今から見事トシキさんをハメた犯人がわかるらしいんです」
エレが即答する。やはりなにかおかしい気がする。
「えっと、それはどうやってやるんだ。」
「私はわかりません。」
「えっと、俺はコレが試験の一部だと思ってたんだ。だからバレないように脱出してきたんだ。」
「落とし穴型牢獄からですか?」
「そうだ。だから、俺は金属で作ったロボットを置いてきた。」
「ロボットか...」
「ロボットですか...」
二人が同時に言う。
「俺そっくりの遠隔操作可能なロボットだ。ほぼ何だったできると思う。自爆もできるし、金属を加工することだってできる。俺ができることなら全部可能だ。スキルを俺から転送するスキルもつけといたからな。」
「......それ、売ったらどれくらいになりますかね?」
「ああ、多分軽く億は超えるだろうな。」
「金儲けするのはいいとして、今 最も使えるのがこれだ。」
「なんだ。」
「なんです?」
二人は同時にハモる。
「モニターON! 可視部分、転送」
「......」
「......」
「これでどうだ?今ロボットが見ているものをモニターに転送した。」
「...ここで驚くべきトシキの技術はだいぶ無視してすげぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「こ、こんなことができるんですか!」
「できる。じゃあ、今からこのロボ助を透明化させて奥に進むぞ」
「なんですか、そのロボ助ってやつは」
「このロボットの名前だ。わかりにくいだろ。」
「どっちでもあまり変わらないと思いますが。」
「ロボ助...いい名前だ。響きと語幹が素晴らしくマッチしていて絶妙な心地だ。最高の名前だ。」
ジョーシは名前に感動していた。




