クラスでの一幕
「てめぇみたいな雑魚がどうやってこの学校に入学できたのか知らねえが・・・・恥かくまえにさっさと失せやがれ」
「?」
僕はどうして名前も知らない人にこんな事を言われているのか理解できなかった
まぁ名前も知らないのは当然と言えるかもしれない
なにせクラス分けされて自己紹介すらしない内に謎の因縁をつけられたのだ
「はっ、反論すらできねぇってか!そんな腰抜け野郎ならさっさと尻尾巻いてこの学校から去りやがれ」
「ん?どうしてそうなったの?」
なぜ因縁をつけられたのか考えている内にいつの間にか学校を辞めろといった話になっているのだ
アムからしたら驚き以外の何物でもない
「はぁ?貴様話を聞いていたの・・・・・何のつもり・・・・・」
僕をなぜか罵倒していた青年を手で止めたのは僕が唯一このクラスで名前を知っている少女であるメアだった
「そこまで・・・・・」
「どうしてテメェみたいな強いやつがこんな雑魚を庇う!こんな雑魚百害あって一理なしだろうが!」
周りの奴もそう思っているのか頷いている
僕は自分が彼らに劣っているとは思わないが、メアが僕を庇った理由がわからなかったので黙ってやりとりを眺める
「・・・・彼が雑魚だからこの学校を去った方が良いと言うのなら私からしたら彼よりもあなた達がこのクラスを去るべきだと思う」
その言葉にクラス皆がざわめきだす
「どういう意味ダヨ?」
僕に詰め寄っていた男も額に青筋を浮かべてメアに詰め寄る
「私なら今のあなた達皆まとめて倒すこともできる」
まぁ、それはそうだろう
数の暴力はそれだけで武器になるがメアは無詠唱に対して他の皆は詠唱が必要となる
それにメアは試験で見せた魔法の性質上接近戦も可能だし、一回の魔法の手数も多い
少なくともメアと互角に戦えるようになるにはメア以外のメンバーが無詠唱を使えるようになってようやくと言ったところなのでは無いだろうか?
一応メアの試合を見ていた皆も、それは理解しているのかその言葉に反論する奴はいなかった
「・・・・・それが・・・どうしたってんだよ」
僕に詰め寄ってきている青年がそう言う
「でも、私には彼を確実に倒せるという自信がない。あなた達と彼にはそれだけの隔たりがある」
「んだとぉ・・・・・・!」
ついに青年が切れてしまう
流石にこれ以上は傍観してられないと感じた僕はメアの前に出る
と同時にメアがその一言をぶん投げた
「だからそのあなた達全員を倒せる私が彼と戦って彼の強さを証明する」
・・・・・・へ?
そのいきなり発せられた言葉に僕も皆も唖然とする
「ん?私一人でクラス皆を倒せることは皆の態度が物語っている。その私相手に一人で戦うことができれば少なくとも雑魚扱いはされないはず。それでも文句を言う奴は私がボコボコにすればいい」
人差し指を顎に当てて首をかしげる姿は確かに少しかわいいが
「いやいやいや、どうしてメアさんが僕と戦うの!?」
僕としてもメアさんと戦うより他のメンバーと戦った方が楽なんだけど!?
「ん・・・だって私も君と戦ってみたかった」
こうなった以上この戦いを断ることもできず、闘技場が使えないことにかけたのだが、先生の同伴があれば使用可能で、その先生も担任が同伴してくれることが決まったため逃げる場所が無かったのだった