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試験終わって

「ふむ・・・一体これはどうしたものかのぉ・・・・」


3つの試験が終わりここは合格者を決めるための集会だ


例年であれば、合格基準なども正確に定められているお陰もあり、この会議もすんなりと終わる


しかしながら今年に限ってかなりの例外・・・・いや、あり得ない事態が発生してしまったのだ


まず、この試験の合格基準を説明するとしよう


まず、最初に行った総合魔力判定


この時計った総合魔力の数値を2で割った数字が点数となる


そして、次に筆記テストだが、全体を100点満点として、そのまま点数が与えられる


最後に模擬戦だが、審判の他にも試合を見ていた先生達により、点数がつけられて最大で500点が与えられる


そして、その合計で500点を越えた者が合格となるのだ


まぁ、模擬戦で500点を取るのはかなり難しいが、その分筆記も頑張れば全く魔法の才能が無くても入学できるといった感じだ


例としてアムと戦ったネル君の数値を当てはめて見ると


総合魔力128を2で割って64


筆記テスト72点で72


模擬戦は瞬く間にアムに倒されてしまったので教師の満場一致で0点


隙だらけだったのもいただけない


ということで合計点数136点で不合格となる


そして、極論を言うならば最初の総合魔力測定で金を出した二人ウルとメア、その他にも銀を出したメンバーに関してはその時点で合格が決まっている


まず、銀が出ている時点でC~B級程度の総合魔力ということになる


つまり、戦いかたを覚えればそれだけである程度の戦力にはなりうるのだ


そんな中例外が出たというのはアムのことである


まず筆記は98点と中々に高得点を叩き出しており


模擬戦も最初あえて魔法を受けたというところが減点の対象とはなっているが、いくら相手が隙だらけだったとしても一瞬で勝負を決めたその実力は教師全員が認めており得点も487点を得ている


この時点で合格の基準を満たされているかのように思えるだろうが、問題があったのは総合魔力である


アムの総合魔力は黒


つまり50以下である


しかし、50以下であっても30やそれこそ1でも総合魔力があれば合格は可能だ


なんなら0でも問題が無いレベルである


しかしながらアムの総合魔力は-998001


つまり、なぜかマイナスがついているため従来の採点方法であればアムは不合格となってしまうのだ


しかも、マイナスでありながらその数字がかなり大きいということは魔力、もしくはMPの値がかなり大きいということになる


まぁ魔力がマイナス等ということは基本あり得ないので(本来ならMPでもあり得ないのだが、MPに関しては迷宮の罠等でマイナス状態になった事例が存在するため)MPがマイナスの数値なのだろうと検討がつくにはつくのだ


それ故に教師たちは悩み続けている


この少年を合格とすべきか不合格とすべきかを


そんな中ノックが響き、返事を待たずに一人の生徒が入ってくる


「失礼します。母上からのお手紙をお持ちしました」


教師たちはその言葉に体を固くする


彼が母上と呼ぶ人物


それは-神秘-の二つ名を持つ英雄の一人でありこの国の女王その人だからだ


そして、その手紙を読んだことで彼らの表情が再び変わる


その手紙には


『アムという少年が受験した場合に限り総合魔力の結果は考慮せずに点数を計算してください』


と書かれていたのだった

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