試験開始
「それではこれより入学試験を始めます。まず、一つ目の試験として総合魔力測定をします。総合魔力とはMPと魔力の数字を掛け合わせて、その数字によって資質をはかる方法です・・・・とは言ってもそんなに難しいことはしません。掛け合わせた数字によって色が変わるこの玉を一人ずつ触りに来ていただくだけです。この玉は触れたものの総合魔力によってその色を変化させます」
そう言って試験の先生がその玉に触れると玉が金色に輝く
「総合魔力が1万を越えるとこのように金色に光ります。そこからは桁が一つ下がる毎に、銀、銅・・・・そして滅多にありませんが黒となります」
これはこれは・・・・・・最初っから僕に厳しくウルに優しい試験だね
その事にウルも気づいたのかこちらを心配そうに見ているが、心配ないと首を振る
そうして名前を呼ばれた順番に玉に触れていく
ほとんどが銅、良くて銀と言ったところだ
「次、ウルさん」
「はい」
まぁ、ウルならば確定で金を出すだろう
なぜならウルの魔力とMPは・・・・・
そんなことを考えている内にウルが玉に触る
まぁ、予想通りと言ったら予想通りウルが触った玉は金色に光輝く
「金・・・!?」
「先生と一緒!?」
「嘘!先生はA級でも上位の実力を持つ魔導師なのよ!?」
教室がざわめき始める
これが普通の反応なのだろうか?
何時もウルと一緒にいるからそんなにウルが強いとは思ってなかったんだけど
・・・・・いや、正確にいうならこれが普通だと思ってたくらいだな
だって未だに俺もウルも家の回りで出没する魔物には二人がかりでも勝てないし
「次、アムさん」
「・・・・・・はい」
あんまり気は進まないけど仕方がない
俺は前に歩いていくと玉に触れる
その瞬間玉は漆黒に染まり・・・・
「黒!?」
「なんだよアイツ・・・・魔法もろくに使えないのに試験受けに来たってのか?」
ん?
その言葉に首をかしげる
別に魔法使えなくてもよくないか?
なんだか不穏な空気から入学試験は始まった