クラス対抗戦(第1次姉弟喧嘩)個人戦(本番)part2
「行くよ!」
僕は黒い剣に風を纏わせて突進させる
勿論このような馬鹿正直な攻撃は全て玄武によって防がれるが、玄武も弱点属性を持った攻撃に多少のダメージを受けているようだ
そして、俺の周囲から剣が無くなった瞬間を見計らって青龍と白虎の攻撃が僕を襲う
勿論吸収を警戒しての同時攻撃だ
僕は白虎からの攻撃を吸収して、青龍の攻撃を黒の波動で喰らい尽くす
メアではまだ制御できない黒の波動だが、なぜだか俺には制御ができるのだ
まぁ純粋な魔力の差かもしれないが
しかしながら次の瞬間後ろから感じたとてつもない熱量に反射的にその場を飛び退く
さっきまで立っていた場所を確認すると炎が上がっていた
少し視線をずらすとそこには翼を広げて再び出現した朱雀の姿があった
どうやらいつの間にか再度召喚していたらしい
これがあるからウルはずるいと思う
正直手数では普通に負けてるレベルだ
僕は再び剣を召喚するとウルに向かって突進する
ウルは玄武の影にいるため僕の姿が見えていない
その隙をついて玄武をかわして攻撃すれば勝てる
というより、二つある勝ち筋の一つがそれである
ウルによって召喚された奴らは自我を持ってはいるが、自らの主を巻き込む可能性がある攻撃を絶対にできないようになっている
なので、ウルを射線に入れた遠距離攻撃はできない
なのでこうやってウルに近づいてしまえば奴らは攻撃できな・・・・嘘だろ!?
飛んできた火の玉と風の刃を回避する
それらは玄武に当たって消し飛び、流石の玄武も体力の限界なのか消滅する
・・・・しかもその後ろにウルはいない
「強くなったのがアムだけだと思った?」
後ろから聞こえた声に僕は辺り一面に剣を発射する
そしてそのまま後ろを振り向く
しかしそこにはウルはいない
いや、闘技場のどこを探してもウルはいないのだ
「どこを見ているの?」
飛んでくる火の玉と氷弾と風の刃
僕はそれをかわしながら信じられない気持ちで朱雀を凝視する
「おいおいまさか・・・・・」
先程ウルの声が聞こえたとき朱雀の口が動いていたかのように見えたのだが・・・
「そう、今度は私が切り札を切る番。これが私の切り札『憑依召喚』よ」
再び朱雀の口が動きウルの声が聞こえた
あまりにも予想外な事に僕は思わず
「うそん」
と呟いてしまった