クラス対抗戦開始(第1次姉弟喧嘩)団体戦(前哨戦)
今回のタイトルが第1回となっておりますが喧嘩がそう何回もあるかは不明です
「それではこれよりクラス対抗戦を始めます」
その宣言と共に沸き上がる会場
クラスはウルのいるクラスがAクラス僕とメアがいるクラスがBクラスだ
「まずは団体戦から始めたいと思います!」
司会の先生の宣言と共に団体戦に出るメンバーが闘技場の中心に集まる
相手のチームは・・・・・・ふむ、ウルがいないということはウルは個人戦か・・・・
「それでは試合開始」
それと同時にBクラスメンバーは一歩後ろに下がりメアが周囲に黒い剣を召喚する
これはメア以外のメンバーを一人でも潰して勝ち目を作りたいであろうAクラスの目論見を潰すためだ
これならまずメアを倒さないと後ろにいるメンバーは倒せないし遠距離からの攻撃魔法でも目視してから対応できる
そう考えていたのだが甘かったようだ
そう、何もかもが甘かった
どうして僕はメアがいれば絶対だと思っていた?
そしてどうして試験の時に見せられた実力が全てだと思い込んでいた?
僕がその失敗に気づいたのは後ろに下がっていた4人の足下に魔法陣が形成されてからだった
上から見ていれば魔法陣ができた瞬間に気づくことは可能だったが前ばかり見ていた4人は気づくのが遅れた
「しまっ・・・・」
アルの叫びが聞こえた瞬間アル達に魔法が襲いかかる
「っ!?」
いきなり背後から聞こえた轟音にメアも背後を振り向いてしまった
そう、振り向いてしまったのだ
戦場で振り向くという大きな隙を作ってしまった
当然のごとく戦闘不能になっている4人
そしてメアが作ってしまった大きな隙に魔法の詠唱を始める4人
詠唱に気づきその詠唱を潰そうとしたメアの足下に再び魔法陣が現れた
「っ!」
慌ててそこから離れるメア
そう、最初に魔法陣ができたときからわかっていた事だがA組の団体戦にも無詠唱で魔法が使えるメンバーがいたのだ
「油断大敵にゃー」
猫を思わせる語尾をしている女の子がメアの邪魔をしている隙に他の人の詠唱が終わる
それぞれがタイミングをずらして魔法を放ってくるためメアも全てを回避しきれない
いくつかは体で受けることとなる
「・・・・っ!!」
メアも剣を体の前で風車のように回して防いだりと頑張ってはいるが、詠唱が終わった者は次の詠唱に入り詠唱が途切れる僅かな時間を無詠唱の猫っ娘が補うを繰り返すことでメアに休む時間を与えずに魔法を放ち続けている
ふむこれだけ打ち込まれれば流石のメアもきついだろう
・・・・・・入学試験前のメアならば
「爆」
メアが呟いた瞬間にAクラスの足下が爆発する
「んにゃ!?」
いきなり爆発した地面と襲い来る礫に猫っ娘を含めたAクラスのメンバーの集中が途切れる
「闇剣舞-乱-」
その瞬間を見逃さずにメアが無数の剣を放ちAクラスのメンバーを地面に打ち付ける
そしてそのまま背中に新たなる剣を生成してそれぞれのターゲットに向ける
それを見た先生が宣言した
「試合終了!Bクラスの勝利」
と宣言した
流石に身動きが取れなく止めを刺されるのを待つだけといった状態で試合を続行させる事はないようだ
ふーむ・・・・しかしこれは試合に勝って勝負では負けたといった感じだな
僕の読みは完全にはずされていたし、ウルとしては最低限の目標は達成できたと言っても過言ではないのだから
このクラス対抗戦は個人戦で勝った方が勝つという形になった