模擬戦後
「やっぱり強かった・・・・それに、本当に本気だった?」
アムの言葉に僕は「さぁ」と肩をすくめる
「そういえばメアさんの職業ってなんなの?あんな魔法今まで見たことなかったんだけど・・・・・」
「ん・・・・メアで良い、私もアムって呼ぶし」
メアさ・・・・メアの言葉に僕も頷く
「そして私の職業は魔王」
「ふぇっ!?」
思わず変な声が出てしまった
魔王と言えば今はほとんど絶滅してしまったと言われている魔族を統べる王様の事だ
「・・・・・・っていうかメアって魔族だったの!?」
「ん」
僕の疑問にメアが頷く
そして何故かこっちの顔をジーっと見る
「今度はそっちの番」
あぁなるほど、僕の職業も教えろってことか
「僕の職業は魔術師殺しだ」
僕の返答にメアが首をかしげる
「・・・・・・聞いたことがない。ユニーク?」
メアの言葉に僕は頷いた
まぁこんな職業ゴロゴロしているわけないよなぁ
「まぁ、そんなことよりも・・・・」
そう呟いてメアが観客席の方を見る
それと同時に試合を見ていたクラスメイト達が微かに震える
「これでアムの事を弱いなんて言う人はいないはず」
そして翌日
「どうしてこうなった・・・・・」
確かにメアのお陰で僕の事を「雑魚」とか言う奴等はいなくなった
しかし、未だに僕の周りには人が寄り付かない
あっ、メアを除いてね
あの後メアと僕が引き分けたのを見て、実はメアがすごく弱かったのだと勘違いしたバカどもがメアに挑んだのだが、メアに瞬殺されたのだ
更にメアと僕との模擬戦はどう考えてもメアが手加減していたようには見えなかったこともあり、僕が強いことは最早クラスの中では事実として処理されるようになった
問題はそこなのだ
雑魚だと思い、なじっていた奴が実はクラストップレベルに強かったことが判明
むしろ自分達の方が雑魚なのだと思い知らされたため、僕相手にどう接して良いのかわからないのだとメアは言っていたが・・・・
別に取って食いやしないよ?
「しかしこんな状態でクラス対抗戦に間に合うのか不安」
ん?今なんかメアがとても気になる言葉を発したぞ?
「クラス対抗戦?」
僕の言葉にメアが呆れたような目をこちらへと向けた
「担任の先生が昨日話していたはず、入学して早々だけど今月末にはクラス対抗戦があるって」
そんなこと言ってたっけ?
正直昨日はメアとの戦いのことを考えて緊張していたから何を言われたかほとんど何も覚えてないからな
「ごめん、ほとんど聞いてなかった」
そう言った僕に苦笑するとメアは一からルールを説明してくれるのだった