第一回異世界説明会
次の日の朝、学校に着くと、クラスメイトのほとんどが教室にいた。
そして、説明会が始まる直前に教室に入ってきた人がいた、坂上 京也だ。
そんな坂上を注意する人がいた、しっかり者のクラス委員長である立花 弥生だ。
緊張が、教室に漂ったが、俺と卯川は、あまり心配していなかった。
なぜなら、坂上と立花の関係を知っていたからだ。そう、彼らは、みんなにはあまり知られていないが、幼馴染であることを、そして、坂上はいかにも悪といった風貌だが、根はいい奴ということを。
みんなも坂上がいい奴だということは、それとなく気づいていると思う。
そして、説明会が始まった。
「今回、説明させていただく、田中だ。
お前たち、不安だと思うが、向こうの世界で生きるためによく聞いていてほしい。
まず、知っている人もいるとは思うが、お前たちが行くであろう世界は、剣と魔法とスキルの世界だ。しかし、安心してくれ、夢病によって異世界に行く人のほとんどが、強い能力があるという。これは、夢病の人の特権だ。だから、向こうの世界でも、生きやすいと思う。
そして、お前たちは、多分どこかの王様か、権力を持っている団体に召喚されると、私どもは思っている。
だから、職業は珍しいものが多い。これらの理由により、ある程度の期間は、安全が確かであると、思ってくれてもよい、以上だ。他に何か質問はないか?」
1人の生徒が、手を挙げた。
「現実世界で、剣の特訓などをしてもいいですか」
「特訓はしてもいいが、あまり効果がないぞ」
俺も聞いてみた。
「職業の後に?といった疑問がついたという事例は今までにありますか?」
「それは、どういうことだ?」
「いえ、なんでもありません。」
俺は、めんどくさくなって、質問をすることをやめた。
「他に質問はないか? ないなら、説明会は以上だ。
これより、全寮制の学校に移動をしてもらう。準備してもらっているはずだから、荷物をバスに乗せて、バスに乗ってくれ。」
これで、第一回説明会は、終わった。
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