国からの指示
目が覚めた後、親に自分が夢病になったと、言った。親は少し悲しそうな顔した。
それは、当たり前の反応だ。
息子がどこか知らない世界に行って、安全かわからないところで生活するのだ。
そして、夢病によってたくさんの人々が死んでしまった。
親は、国に報告するために電話をかけにいった。
その後、俺は学校に行った時には、クラス全体が、ざわついていた。
朝のホームルームになると、知らない人達が教室に入ってきた。
「今から話すことは、このクラスの全員に関係していることなので、よく聞いていてください。
このクラスの全員が夢病に感染している。感染しているとは、いっても夢病は感染症ではない。夢病が感染するというのは、嘘です。
そこは、安心してください。
ここからが、本題です。
まず、このクラスは全員が、夢病だということで、国が用意している全寮制の学校にこれからは、通っていただきます。このことに関しては、家族に許可を得ています。
そして、担任の先生も夢病だということで、担任の先生にも担当していただきます。お願いします、小林先生」
「みんな、こんなことになったけど、変わらずに、みんなの担任になれて、よかったです。これからも、よろしく」
「では、みなさん、夢病についての説明などは、明日になりますので、今日はもう帰っていただいてけっこうです。
明日の朝、この学校に集合していてください」
話が終わり、スーツの人達が教室から出て行くと、となりの席の卯川 千代さんが、話しかけてきた。
卯川 千代さんは、容姿、学力ともにこのクラスのトップクラスに入る人だ。
人気があり、このクラスにも彼女のことが好きな人がいるであろう。そして、自慢ではないが、彼女は私の幼馴染だ。
「悠ちゃん、私達ほんとに夢病なのかなぁ」
「国の人があんな風に言うから、そうなんじゃないの。夢も見たんだろ」
「確かに夢は見たけど、実感がわかないよ」
「そうだね〜」
「ちゃんと聞いてる、悠ちゃん」
「聞いてる聞いてる」
そんなほのぼのした会話だった。
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