リンゴアメ
君が好きだというから
今日も買ってきたよ
リンゴアメを
満開の桜の木の下で
受け取った君は喜んで
僕に一口どうって差し出すけれど
ごめん
リンゴアメ
僕は苦手なんだ
知らなかったでしょ
君が好きで
僕が苦手なもの
だからね
いつも一個しか買わない
いつも一つ
君の分だけ
どうしてって
君は聞かない
なぜかって
僕は説明しない
だって君は聞こうとしない
だって僕は言おうとしない
互いにそこは無関心
でもはしゃぐ
お祭りみたいに
桜の木の下で
真っ赤な真っ赤な飴に隠された
二人の間の
秘密事
べっとりとした
着色料
お花見はいいね。
ありがとうございました。