エルフの少女3
「こう言っちゃあなんだが、結構ドジなんだな、ルシェは」
「・・・・・・」
無言で歩みを進めていくルシェだったが、途中で足を止めて何やらブツブツ言っている。
「うーん、このままの恰好じゃまたバカにされるわね」
自分の掘った落とし穴に、二度もはまったおかげで、体中には泥やら土やらが付着していて、可愛い顔をしているのに色々と台無しだった。
元々は綺麗な服装だったのだが。
ルシェの着ているのは民族衣装とでも言えばいいのか、緑色した薄い布地で体を覆ってはいるが、腕や足などはそのまま肌が露出していた。靴は履いていない。ただ、頭には羽飾りが付いている。
綺麗な二の腕、健康美溢れる太ももがよく見えるので、つい日詩はそちらに目をやってしまっていた。
「村に行く前に、ゆあみをしていくわ」
突然切り出された言葉に、日詩は首を傾げた。
「ゆあみ?」
「身体を綺麗にする事よ」
なるほど、そういう事か。
見れば、自分の体も水をかぶったり、落とし穴に落ちたりしていてかなり汚れている。
「なあ、俺もいいか?」
「いいんじゃない?許可を取ってするようなものでもないし」
そう言われて連れてこられたのは、森の開けた場所にある湖だった。
遠くに見える滝から、ここの湖が形成されているようだ。
その大きさはなかなかのもので、学校のグラウンドが三つは入るんじゃないかと、日詩は思った。
「いやあ、随分と綺麗な場所だね」
サラッ
「そうね、綺麗な場所じゃないと困るもの。綺麗にしに来たんだし」
雄大な景色に目を奪われている日詩の後ろで、ルシェが答える。
それもそうだなと思って見ていると、衣擦れの音が聞こえている事に気付く。
パサッ
「ん?」
日詩が横を通り過ぎようとするルシェに目をやると・・・裸だった。
「わあ!何してんだよお前!」
日詩が叫ぶと、ルシェはキョトンとした顔で平然と言ってくる。
「何って、ゆあみするに決まってるでしょう?おかしな事を言うわね」
「いや、それはそうなんだけど」
と、言いつつも日詩はルシェの体から目が離せない。
小ぶりな胸は手のひらサイズといった感じで、スレンダーな体と相まって大変に素晴らしい。
日常で見る異性の体なら、妹がいるので何度も目にしてはいたが、年頃の女の子の裸を見るのは初めてである。
慌てるのも無理はないというものだ。
「なに?そんなにジロジロと見て。どこかおかしな所でもある?」
そう言ってルシェは、その場でクルクルと回りだした。
「おおー!」
日詩は思わず感嘆の声を上げてしまう。
そうか、ここは人間の世界と違って、裸を見られるのは恥ずかしい事じゃないのか。
何て、何て素晴らしい世界なんだ!!
と、一人で盛り上がり、興奮していた。
「おおーじゃないわよ。どこかおかしかったのなら言ってよ。気になるでしょう?」
目の前でそうまくし立てられるも、ぷっくりとして、少しピンクがかった胸の頂上付近とか、日詩の視線はとにかく胸に集中していた。
「ここ?ここがおかしいの?」
グニュっと自分の胸を握ったり放したりして、ルシェは確認するようにそれを繰り返した。
そうする度に色々と形を変える、目の前の非日常的な光景に、日詩の興奮は最高まで達し・・・
ドターン
と、仰向けに倒れた。
「ちょっと!大丈夫?どうしたの?ねえ、ねえってば!」
言いながらゆさゆさと体を揺さぶってくるルシェだったが、鼻血を出している日詩にはその声は届いていなかった。