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クセになる手触り

 「こうかな・・・お、いけるいける!僕にも出来るぞ!」


 クラリンが岩を出しているのを、見よう見まねでパッセが挑戦する。

 コツを掴んだのか、何もないところから岩を出して〇クプクを誘導していた。


 「これは便利ねえ。村に戻ったらこのオーブ貸してくれないかしら?庭に大きな石が欲しいって、お父さんが言ってたから」


 ルメーリアは暢気のんきにそんな事を言って、器用に寝そべったような態勢を取って水中を漂っていた。

 時折はためいたローブから見え隠れする胸に、つい目がいってしまう・・・というか釘付けになっている。


 「日詩?どうしてこっちばかり見てるのよ。この態勢おかしいかしら?」


 「いや、いい眺めだと思って」


 「私がキレイに見えるのね。いい趣味してるわよあなた。誇ってもいいわ!」


 こんな事を誇りに思う事なんて出来ん。

 それでも目が離せないのは綺麗だからというだけではなく、やはりボリュームであろう。

 ルシェの胸は言葉を失うほど美しいものだが、いかんせん大きいわけではない。

 が、目の前のものはDか・・・いやEはありそうだと見積もっている。

 俺の見立てに間違いがなければ!


 岩を出していた手を止め、パッセが会話に入ってくる。


 「おおかたルメーリアの胸でも見ているんだろう。日詩がおっぱい好きだという事は、誰もが知っている事だからね」


 「なん・・・だと?誰もが知っている・・・?なぜ!?」


 「普段から見てるからじゃないの?日詩ってばかなりのエッチよね」


 うろたえる俺に、手で胸を隠してルメーリアがからかった。

 

 「うう・・・仕方がないんじゃ・・・仕方がないんじゃよ・・・」


 泣きながら訴えたが、水に紛れて涙を流している事には誰も気付かない。

 クラリンはそれらの取りを見て、自分の胸に手を当てるとため息をついていた。




 「お待たせ」


 「遅いよぉ、逃げちゃったかと思って心配してたよぉ」


 俺が声を掛けるとリヴァイアサンは、泣いているような声を出した。

 よっぽど一人で待っているのが辛かったのだろう、何せ動けないのだし。


 「よし、ではこの生き物を食べてみて」


 パッセの合図でプクプ〇を吸い込もうとする。

 それを見てクラリンが離れながら叫んだ。


 「私たちまで食べないで下さいね!」


 するとリヴァイアサンはプ〇プクだけを見事に口の中に吸い込んだ。


 「くぁwせdrftgyふじこlp」


 吸い込んだ途端に悲鳴を上げてもがくリヴァイアサン。


 「大丈夫かしら?」


 言葉とは裏腹に腕を組んで傍観しているルメーリア。

 リヴァイアサンが大暴れしているせいで、砂煙が舞い上がり、そのうち何も見えなくなる。


 「アレがプク〇クだったなら大丈夫、間違いない」


 俺には自信があった。


 「とっても苦しんでるみたいですけど・・・」


 わめき散らしているリヴァイアサンを、クラリンが心配していた。

 俺はそれを見て呟く。


 「科学ニ犠牲ハツキモノデース」


 「カガクってなんだい?」


 パッセの問いには答えず、砂煙が収まるのを待つと、徐々に視界が開けてきて、いつしかうめき声は聞こえなくなっていた。

 見えてきた姿を見て


 「成功デース」


 現れたその姿は見事に小さくなっていた。

 最初に見たサイズと比べると小さくなりすぎている気もするけど・・・恐らくマドックとかいう爺さんが乗っていた時くらいに。


 「いやー死ぬかと思ったわー、でも小さくなれて良かったわー」


 リヴァイアサンはよっぽど嬉しいのか、俺たちの周りをくねくねと泳ぎ回る。


 「ありがとう、お礼にオーブだと思う場所に案内しよう」


 「やった!」


 「やりぃ!」


 俺とパッセはパンっとお互いの手のひらを打ち合って喜ぶ。

 クラリンとルメーリアは安堵の表情を浮かべて。




 「確かこの辺に・・・あった。恐らくお前たちの求めているオーブというのは、アレじゃないのか?」


 岩と岩の隙間に出来た通路のような物に顔を向けて、こちらに場所を示すリヴァイアサン。

 両端の岩は高さ二メートルくらい、通路の幅は一メートルといった感じかな。

 そして、十メートルくらい先にある正面には、以前クラリンと洞穴を歩き回った時に偶然見つけた、あの光の壁があった。

 洞穴で見た壁の色は光の色、金色のような黄色のような色を放っていたが、この壁はハッキリと青い色を放っている。

 

 「行こう」


 俺の合図でみんなで通路を歩いていく。

 

 「不思議な岩ね?今歩いている所もツルツルしていて・・・こんなの見たことがないわ」


 歩きながら、時折ルメーリアは通路の壁や足元の床を手で触り、その感触を楽しんでいる。


 「確かに。それにすごくキレイだ。これはどんな細工なんだろう?」


 「そうですね。この地のオーブを見つけた時は暗くて、ツルツルした所はあっても見れなかったですけど。自然に出来た物ではない、それくらいしか分かりません」


 パッセとクラリンも同様に、ペタペタと表面を触っている。


 「あー、俺のいる世界では、こういうのは当たり前に見られるぞ。なんだっけな・・・床はリノなんとか・・・忘れたけど。木とかコンクリートの壁も、これに近い感じかな。何かが塗られてて」


 ひどく曖昧に答えてしまったけど、思い出せないし分からない。

 ただ地球では、あちこちで見られるような見た目をしているのは間違いない。

 通っている学校、コンビニ、自分のアパートの壁だってこんな感じがする。


 「日詩の住んでいる世界は、きっとすごくキレイな所なんでしょうね」


 「どんな所なのか、私、興味あります」


 ルメーリアとクラリンが口々に感想を述べる。

 パッセは「へえ・・・ふうむ」と、興味津々で壁とにらめっこしていた。

 そして、俺たちはいよいよ光の壁の前までやってきた。

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