地蔵、タヌキ、しっぽ、カエルなのです
「動けないってどうしてですか?」
クラリンが当たり前のように聞くと
「大きくなりすぎてしまって」
リヴァイアサンは力なくそう答えた。
「それで水かさが増して海のようになってたのね!」
ルメーリアが納得した表情を見せる。
「あ、そうか。で、体が重いから動けないと」
リヴァイアサンはコクコクと頷く。
思ったより成長しちまったって事かな?
「だったら、小さくしてしまえばいいんじゃないかな?」
と、パッセの一言で方針が決まった。
「なかなか見つからないわね」
ルメーリアがキョロキョロとしながら皆に向かって告げる。
俺たちは先ほど泳いできた所を戻りながら、ある生物を探していた。
「可愛い生き物でしたよね」
クラリンは目を凝らして遠くを覗いている。
それほど数はいないのか、目的のそいつはなかなか見つからない。
「それにしてもよく覚えていたな」
まさかの展開に俺は驚いた。
「プ〇プ〇だっけ?それをリヴァイアサンに食べさせたらどうだろう?」というのがパッセの提案だ。
「触ってしまうといけないんですよね?」
クラリンの言う通り、触ってしまうのはいけない。
俺はクラリンに頷きながら、あちらこちらに目を向ける。
ゲームにいる〇ク〇クは、どういう訳かファイア〇リオのファイアーボールでしか倒せない。
水中でなぜファイアーボールが打てるのか、まったくの謎と言っていい。
そして誰もその理由は分からない。
なので、あの生き物が本当にプ〇〇クだとしたら、この世界では無敵ではないだろうか。
倒す術が見つからないのだから。
捜索する事おおよそ二十分といった辺りか。
「いたわ!アレよね?」
とうとうルメーリアが例の生き物、〇クプ〇を発見する。
「ああ、間違いない。でも、こいつをどうやってリヴァイアサンに食わせるんだ?」
俺は疑問に思ったことをみんなにぶつける。
「まずは観察してみるのはどうでしょうか」
クラリンの意見に反対する者はいなかった。
それにしても、こいつはこいつで不思議な生き物だ。
目は開きっぱなし、泳いでいる様子もないのに前に向かって進み、ただ口をパクパクさせているだけ。
色は確か青と赤がいたような気がしたが、こいつは赤だった。
最もポピュラーな色と言える。
ずっと観察しているが、表情を出す事が出来ないのか、口以外が動いている様子がない。
退屈極まりない作業だ。
「何かに当たってくれでもしない限り、ずっとこのまま泳いでるのかねえ」
俺の呟きにルメーリアが
「ゲームの世界とやらではどうなのよ?」と聞く。
「どうだったかなぁ。なんせかなり古いゲームなもんだからさ。ブロックとかがあってもすり抜けていたような・・・」
仮にそうだとすると、こいつはこのまま泳いでいって消えてしまうのか?
いや、今こいつがいる時点でそれはあり得ないか。
「お?岩肌が見えてきた。アレに当たるとどうなるかな」
みんなでジッと目を向けてプク〇〇を見ていると、岩に当たった瞬間、反転して泳いでいる方向を変えた。
「反対に泳ぎだしたね」
パッセが呟く。
「どうやら岩にぶち当たると反転する仕組みらしいな」
「じゃあアレの前に岩を出して、方向を調整して連れて行けばいいんじゃない?」
ルメーリアがそう提案する。
「でもロックの魔法が使えるのって、このメンバーの中にいたっけ?」
パッセがみんなを見渡して問う。
俺はもちろん、ルメーリアも首を振った。
しかしクラリンだけは足を開き、両手を腰に当てるポーズを取ってニッコリと笑うと
「安心してください!使えますよ!」
そう言って持っていたオーブをみんなの前に出した。
「このオーブは地のオーブです。岩くらい簡単に出せるはずです」
「その手があったか!」
「すごいわ!まるでこの時のためにあったような物ね」
パッセとルメーリアが感心した表情でクラリンを見た。
「計画通り」
ニヤリ。
俺は悪い笑みを浮かべた。
ひょっとしたら間違っているかもしれません(;´▽`A``
違っていたら指摘して下さいね