4.『雪姫: 遠野おしらさま迷宮』
『雪姫: 遠野おしらさま迷宮』
出版社:兼六館出版
寮 美千子 (著)
今回は、六館出版、寮 美千子 (著)の『雪姫: 遠野おしらさま迷宮』を紹介します。
作品の印象としては、正直言うとテンポが悪い。
主人公の雪姫。
一人称で描かれていて、手紙を読んでいる感じですが、一言喋るたびに心情や過去の思い出話を語りだすので先に進まずイラつきます。
本作は岩手に伝わるオシラ様信仰をモチーフにしていますが、民俗学そのものの説明ではなく、「伝承が呼び起こす心の奥の記憶」を物語として描いたような印象です。
・人と神の距離
・禁忌と祈り
・雪に閉ざされた土地の息遣い
こうしたテーマが静かに流れていて、読むほどに心が研ぎ澄まされるようでした。
迷宮という言葉が象徴するように、本作は現実世界の旅と心の内の旅が重なりながら進んでいきます。
迷宮はただの不思議な場所ではなく、自分では気づけない心の影を映し出す鏡のようにも感じました。
読後にはまるで、深い雪の中を静かに歩いた後のようなひんやりとした静けさと、胸に残るぬくもりがあります。
物語の派手さよりも、心の奥にそっと触れてくる感覚が印象に残る一冊でした。
日本の民族や神話的な世界観が好きな人、静かで幻想的なファンタジーを求めている人には特におすすめです。
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