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92話 ボスコ砦2

92話 ボスコ砦2



騎士学校に入学して二年、この二年間は盾や武器を使った防御術や戦闘方法を学んで来た。

三年生になると集団での防御術や戦闘方法を学んでいく。

四人一組だったり、それを二〜三組で一班、クラス全体での訓練もあった。

特に大切だったのが、全体を見て指示をする指揮官。

騎士団に入れば上官の役目で必要になるタイミングまではまだ長いけど、冒険者としてみたら、組はパーティー、班は小規模討伐隊、クラスは大型レイド、といった感じで考えれるから、騎士団希望じゃない人も必死に学んでいた。

もちろん私もしっかりと勉強したよ。


第一職業が学者だから、戦術も理解し易かったけど、クラスの指揮官になれなかった。

私のクラスの指揮官は熊の原種人のオルサっていう女の子、オルサの意味がクマの女の子だから、仲良い子はみんなクマちゃんって呼んでるんだ。


夏前から始まった総当たりのクラス対抗模擬戦もクマちゃんの指揮通り動いたら、敵の攻撃部隊の湧く場所、待ち伏せ場所、敵指揮官の場所が全部当たっていて全勝できたんだよ。




ガラガラガラ

教室の扉が開いて、担任の先生が大量の資料を持って入ってきた。

担任の先生と言っても、騎士団に所属してる現役の騎士団員。第一職業が錬金術師で第二職業が騎士。たまに騎士団の仕事で居ない事がある。


「終礼するぞー

明日から夏休みですが、それが終わると秋からは騎士団の駐屯地への遠征があります。

夏休みを遊んだり、旅行にいったり、第一職業の為に使ったり、使い道は自由だが、遠征の事も頭に入れておいて各自それに向けて準備をする様に。」

言葉を区切りみんなの顔を見渡して、顔つきを確認する先生。

納得した顔つきだったのか、再び話始めだした。

「遠征先はボスコ砦だ。

森の中の砦で、そこで生態系の調査と警備をしてもらう。」


おおおおぉ〜

教室内がザワついている。


ボスコ砦は他国と隣接している訳ではないけど、環境が森という事で、モンスターが多く、ダンジョンも近くに存在している。

なので、求められる能力も高いので、そこに配属されるのは、騎士団や学校から認められているという意味になる。


「資料を配るからよく読むように。

寝具や食料は騎士団から支給されるが、遠征は長いから、各自、、、、いやクラス全体で狩をして食料は用意するように。

それと従魔がいる者は申請すれば遠征に連れて行っていいからな!」



〜〜〜〜〜


「メーティースーちゃーん。」


「うおっぷ。」

勢いよくオレンジ色の髪の毛が特徴的な、テイマーで騎士の女の子が勢いよく抱きついてきた。

入学した時は同じぐらいの体格だったのに、いつの間にか身長も体格も大きくなっていて、、、いや、私も大きくなったよ!ちょっとは。。。


「はいはい、どうしたの?ファムちゃん。」


「遠征にヴィゾーちゃん連れて行くの?」


ヴィゾーちゃんっというのは、ヴェデルという飛べない鳥のモンスターで、卵から育てたからテイミングできた子だよ。王都では珍しいけど、外国では騎獣で使ってる所もあるんだって。

「そのつもりだよ〜長期遠征だしね。ファムちゃんは?アルマジロドラゴンズ?」


「ヴィゾーちゃんに久々に会える!

ん〜あの子達は牧場にかなり馴染んでて、警備をしてくれるんだよね。

それに何気にお客さん達から人気だから、連れ歩くというより牧場の子にしようかなって思ってるんだよね。


「そうなんだー。

じゃぁ連れてかないの?」


「連れてくよ!

どの子にするかは、夏休み中に決めようと思うんだよね。騎乗できる子と偵察できる子もいるよねー。」


「着実にテイマーになってるね。

連れて来たら挨拶させてね!」


「牧場にいる子達は一緒に育ったりしてるから、新たにテイミングしなくても言う事は聞いてくれるんだよ。

っで、ところでクマちゃんさっきから元気ないけど、どうしたの?」


ファムちゃんが私の後ろの席のクマちゃんを見て話しかけてきた。

確かに最近だと私とファムちゃんが話していたら、クマちゃんが話に混じってくる事が普通だったのに、珍しい。


後ろを振り返ってクマちゃんを見ると、頭をぽりぽり掻きながら話し出した。

「イや〜ボスコ砦かぁって思ってネ。」


「ん?ボスコ砦がどうかしたの?」


「騎士団にクマちゃんの指揮が認められたって事じゃん?」


「ウん、、、それは、わからないけど。

そもそも、みんなの戦闘能力が高すぎるんだけどネ。」


「ぁー確かにみんな強いよね!!

それにチートな武道家と魔法使いがいるもんね。」


「いや、メティスちゃんも大概強いじゃん。」


「えー私はそんなことないよー。」


「イや、メティスちゃんは強いでしょ!この前なんか一人で敵の攻撃部隊全員捕まえたじゃなイ。」


「それは、、、クマちゃんが指揮してくれたから、、、、、」


「ソれに、泥濘む土地に撒くように渡した草なんだっケ?」


「ハンノキ草ね。水をよく吸う植物ね。」


「ソうそう、それね!アレでだいぶ戦術が簡単になったもン。」


「ぁーーりがとう。

ていうかあの時さ、霧を都合良く発生させたのって魔法だったよね?魔力凄くない?」


「タしかに!ダメ元で言ったら、わかったぁ〜って言ってたもんね!凄いヨ。」


「完全にチートだよね、、、

あ!んで、ボスコ砦の話!なにかあるの?」


「アぁ。ボスコ砦に兄ちゃんがいるんダ。」


「お兄さんって腕相撲大会三連覇した人だよね?」


「ソう!その人!シスコンだから、ちょっと恥ずかしいんダ。」


「ぁぁー確かに友達の前だとちょっと嫌だよね。」


「ダいぶやダ。」


「ええーそんな嫌なものなの?わたしは平気なんですけど。」


「コえ大きいし、抱きついてくるし、可愛い可愛い言ってくるからね。

それでイケメンならいいけど、どう見てもイカツイ系だから、ギャップが凄くテ。」


「私の雪のインビシのマント貸そうか?」


「ホんとそれ!貸してほしいヨ〜」


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