89話 アウレ連邦20
89話 アウレ連邦20
〜ルラー到着十四日目・最終日〜
発表会の翌日
ゴルディ工房改めトビマル工房にいるナダンバさんを訪ねに来た。
「あ!ラヴァルさんー。
昨日はありがとうございましたー。」
「いえいえ、私は只自分がいいと思った武器を選んだだけなんで。」
「もちろんそれもそうなんですけどー、あの後トルベールさんから聞いたんですよー!
ラヴァルさんがこの国の為に色々考えていてくれてたんだってー。」
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あ!トルベールさんとの会話のやつか!
「いやいや、私は単純にハーピーの退治や鉱山で働く人の環境をよくしたいなと思ってただけですよ。
考えてたというより、トルベールさんに教えてもらって考えさせられたって感じなんですよ。」
「それでも結果こうして、ウラル初のドワーフ族以外の工房主が生まれたしー、私もそれに続けそうですしー、、、」
「あぁ!トビマルさんですよね!おめでとうございます。今はいるんですか?」
「はい、奥にいますー。
お呼びしましょうかー?」
「あ!いえ、休んでいるなら大丈夫ですよ。
今日は別件で来たんで。」
「???そうなんですかー?今日はどういったご用件でー?」
「昨日発表会で出した片手斧って売ってもらえないですか?持ってきたやつが刃がかけちゃったんで、、、」
「お売りする事はできるんですがー、課題の切れ味の件と魔法の件がまだ解決していなくてー、、、
それでも良ければですけどー。。。」
「とりあえずと言ったら申し訳ないですけど、それでもお願いしたいです。」
「わかりました、、、ちょっと待ってて下さいね。取ってきますねー!」
と言って工房の奥の方に行こうと走りだそうとしたら、巨大な壁が!!
「うぅわっ!」
「おおきにラヴァルはん!
昨日はなんかえらい盛り上がったみたいやん。
俺もその場におりたかったわー。
んで、バンダナちゃん。工房は走ったらアカンで。」
あれ?ナダンバさんじゃなく、バンダナちゃんでいいの?
あれ?名前どっちだっけ?
「んで、なんかオモロい課題があるやないや聞こえたんやけど、なんなん?」
「あ!課題というか、戦闘をしていたらどうしてもモンスターの血で柄が滑りやすくなったり、長旅をしているとメンテナンスが甘くなって切れ味が落ちたり錆びたりっていうのと、後は今の素材的に難しいんですけど、できるなら、刃から魔法が出るように魔力が伝わりやすい素材が安くあればいいのになーっていう私のワガママです。」
「ハハハッ!えらいワガママやな!!
んで、安ー仕上げたいんやろ?」
「はい、ヒヒイロカネとかミスリル製とかはお値段的に、、、」
「ええで!愛弟子にチャンスくれた人やし俺にとっても恩人やから、作ったるで!!!
あ!いやちゃうな!
配合教えたるからナダンバ!作りっ。」
「、!!!はいっ!」
「それができたら卒業や」
「けど、お師匠さんいいんですかー?他の工房に行く人に教えてー?!秘伝じゃないんですかー?」
「ええねん。元から最後に教えるつもりやったし、他の工房やなくて独立やろ?
それに、今から教える配合はマルゴ商店にも知っとる人おるんや。」
「そうなんですかー?」
「昔一緒に鍛冶しとった人と一緒に考えたからな!その人がマルゴ商店におってなんでか知らんけど錬金術師しとるらしいんや。鍛冶やってもええのに。。。
せやから、結局俺が秘伝やなんやゆーてても、そのうちマルゴ商店に公開されるだけやからな!ええねん。」
ぁーーーー
父さんじゃないかな?その人、、、
「ありがとうございますー。
是非お願いしますー。」
「おぅ!
ほんでラヴァルはん悪いけど出来上がるんは三週間後や!
んで、値段は、、、んー
バンダナちゃんが決めてええよ!
材料費だけ下回らんようにな!」
あの後材料費だけでもビックリするぐらい高くて、料金を払ったら貯金がほとんどなくなった。
また稼がないと。




