87話 アウレ連邦18
87話 アウレ連邦18
「今回は久々の新しい武器の形状で、皆楽しんで鍛冶ができたんじゃないかの?
新しい鍛冶技術や新しい武器はドワーフ族の悦びんだ。
んだは、投票結果を発表する。
今回の最優秀賞はホガンナだ。
副賞は工房主として、新しい工房を持つ事を許そう。
おめでとう。」
盛大な拍手が鳴り
ホガンナらしきドワーフ族の男の人が泣き喜んで、同じくドワーフ族の男の人が肩を抱いている。
他の参加者は悔しそうな顔をしながらも拍手をして、ホガンナさんを祝福している。
「今回は新しい武器じゃから、純粋に鍛冶の腕を見るか?形の変化も容認するかで審査も悩んだ。
そこでじゃ、今回は片手斧マァリッシュの達人のラヴァルさんの、特別賞を急遽作ったんじゃ。」
え?!なにそれ?!
聞いてませんよそんなの??
オドオドしていると議長さんが手招きをしている。
議長さんの所にかけよって
「あの、私何も聞いてないんですけど!!」
「ぃんやー急遽決まった事でな。
どれ、気に入った武器があったと聞いたぞ。
それを持ってきてくれんか?
そして、可能ならそれを使って集まってるみんなに演武を見せてもらえんかな?」
はぁ、、、
絶対トルベールさんだな!コレは。
選んだのは突きができるように変形させたマァリッシュ。
クルクルクルと回転させながら、会場の少し開けた場所に移動して、演武を始める。
前回と同じだと面白味がないから、受けから入るイメージでいこう。
左手で攻撃を反らし受けるようにして下がっていく。下がる歩幅を調整しながら、相手の大振りを誘う。
それを体を沈めながらの蹴りで反撃、起き上がりにマァリッシュで切り上げる。
体を回転させて裏拳からの掌底。
構え直して、、、
、、、
、、、、、
五分程度の演武が終わり拍手の中、議長の側にいき、マァリッシュを手渡す
「このマァリッシュが一番使いやすいです。鍛冶の事はわかりませんが、重心のバランスや私のマァリッシュの扱い方をよく観察してくれて、突きがしやすいようにカスタムしてくれています。」
「んなるほど。
番号は、、、ん、コレは、、、、」
振ってある番号と名簿を見比べているうちにどんどん表情が険しくなっていく。
「おや?!どうしましたか?」
トルベールさんがまたいきなり現れた。
「、、、ぃんや、、、んむぅ。」
またなんだかゴニョゴニョ言ってる。
「あぁ、なるほど。名簿の字が少し小さいようですね!では、替わりに読み上げますね!」
と言いながら議長さんから、名簿をとりあげるトルベールさん。
「、、、おんまぇ何s
「それでは、皆様、素敵な演武を見せてくれたラヴァルさんにもぅ一度盛大な拍手を」
トルベールさんの煽りに会場中が応えて、大きな拍手が巻き起こる。
「では、今回の審査員特別賞は、マァリッシュの達人のラヴァルさんの演武の特徴でもある、華麗な突を、スムーズに行えるように従来の形から進化させたマァリッシュを制作した、、、、ナダンバさんです!
ナダンバさんどうぞこちらへ。」
、、、
ザワッ!
ウワァァーーーーー!!!!
発表の後
会場には二種類の反応があった。
会場の手前のドワーフ族が陣取っている場所では、戸惑いとザワつき。
会場の二階席の奥の方からは喜びと歓声。そこには混血種やドワーフ族以外の人達が多くいた。
しばらくして二階席の奥から歩いて現れたのは、バンダナを巻いた女性。
泣いて目を擦っていて、顔はハッキリ見えないけど、、、、多分あの人だよね?
私達の前に降りてきたナダンバさん、目を真っ赤に晴らしながらも、誇らしい顔で賞状を受け取っていた。
ちなみに手渡したのは私、、、確かに審査員の中で鍛冶が全くわからない人が選んだ特別な賞だもんね。
私の事だはそれわ。




