83話 アウレ連邦14
83話 アウレ連邦14
「どうなったのじゃ?」
「ハーピークイーンの風魔法でハーピー達を空中に巻き上げて、逃げていきましたよ。」
「そうか、、、、全部は討伐できなかったんじゃな。残念じゃの。
ハーピーのある程度の討伐はできたから、クエストは終了じゃが、モヤモヤが残る最後じゃのぅ。」
「そうね。一時凌ぎにはなったけど、次また来るのは明白よね。」
「うーむ。」
、、、
「もしかしたら、ハーピークイーンの巣が分かるかもしれませんよ。」
「なんじゃと?」
「最後にハーピークイーンに投げたナイフなんですけど、私の血液を混ぜて作ったものなので、跡を追えるんですよ。
まぁ外されたりしてなければですけど。」
「そうか!すぐ準備して行くかの。」
「いえ、まずは少し落ち着きましょう。宿場町の人にも報告をしないといけないですし。」
「そうね、それがいいわね。
報告は私の所から出すね。
ラヴァルさんは一先ず休んでおいて。」
「ありがとうございます。」
「ワシも休もうかのぅ。歳でもぅ体力がのぉ。
すまんが素材回収よろしくの。」
「オス!!」
指示されて、マッチョ爺さんの仲間達が回収に動いてくれた。
「弟子なんじゃよ。」
「そうなんですね。」
「まだまだヒヨッコじゃが、なかなか筋の良い奴らでの。これからの成長が楽しみじゃ。」
マッチョ爺さん、、、、何フラグ立ててんのよ。。。
「それにしてもじゃ、本当にうまい具合に雨が降ったのぉ!あんな作戦は初めてじゃ。」
「雨は蒸発した水分が空に上がっていって、冷やされたら雨になるんですよ。
事前に水魔法で地面を濡らせたので、あとは火魔法で蒸発させて、風魔法で一気に雨になる高度までもっていったんですよ。
上手くいってよかったです。」
「そうかそうか。しかしよく思いついたのぉ。
誰かに聞いたりしたのかい?」
「いえ、私第一職業が学者になるぐらい勉強していたので、その時の知識ですよ。」
「そうか。いい事じゃ。将来が楽しみじゃのう。ワシらとは違う戦い方をする。物事も違う見え方がするんじゃろうな。」
「どうなんでしょうね。。。
そういえば、ハーピー達はよくこの鉱山に来るんですか?
餌場なら他にもありそうなのに。」
「あいつらは血の匂いに敏感でのぉ。
ここの鉱山で出た鉱石の仕分けをしていると、どうしても手や足に怪我をしてしまって、窪んだ地形のせいで、血の匂いが籠るんじゃ。」
「うーん。手袋とかしないんですか?」
「布手袋だとすぐダメになってしまのじゃ。
革だとピッタリに作らんと重たいものを持つのに、滑らせる危険性があるじゃろ?
小さい子供から大人、それに人種の差もあって其々に合ったものを用意するのは無理があるんじゃよ。
雇い主側がそれを用意するならコストが上がり、鉱石の値段が上がるしのぉ。
働く側が用意するなら、、、値段的に無理があるじゃろな。」
「んー。鉱石の値段が上がってもいい!ってなっても難しいんですか?」
「それで手袋を用意する雇い主もおるじゃろうけど、用意せずに利益を増やす所や、働く側に少し多めに賃金を出すから自分で用意せぇっと言う所も出てくるじゃろなぁ。
何かを変えないといけないじゃろうが、そうなると何かでキツく縛るしかないんじゃ。
必ず反発は出るが、、、、のぉ。。。」
「んーーーー難しい問題ですねぇ。
ちゃんとしている場所から仕入れた鉱石を使ってます!ていう印があればいいのかなぁ?
んーでも偽造されたり、、、うーん。」
「そうじゃのぉ。
まぁそこは国かギルドが動くしかないからのぉ。影響力を強めたければ、ギルドランクを上げるしかないからのぉ。
そして、いくらワシらが言っても結局は雇う側の意識、商品を買う側の意識じゃよ。
今、ワシらが出来る事はハーピークイーンを叩く事じゃ。」
「そうですか、、、」
「、、、
見聞を広めれたじゃろ?今はそれでいいんじゃ、、、」




