82話 アウレ連邦13
82話 アウレ連邦13
キィエェー
キィエェー
ハーピークイーンの鳴き声に反応するように、空中に残っていたハーピー達が私の方に一斉に襲いかかって来た。
「ヴィゾーちゃん来て!」
駆けつけてくれたヴィゾーちゃんに跨って
逃げ回る
ハーピー達から逃げながらも、テッポウウリ2で反撃して時間を稼ぐ。
だけど、ハーピー達も後ろを着いてくるだけではなく、バラバラに飛び回って鉤爪やブレス攻撃をしてくる。
たまーにハーピークイーンの風魔法や火魔法が飛んでくる。
まぁ風魔法に関してはヴィゾーちゃんが格上だから相殺してくれて、火は全力で避けてる。
討伐隊の他の仲間達も魔法、槍や投擲を駆使してハーピーを攻撃して、私への攻撃を分散させてくれている。
逃げ回りながら空を見上げる
最初の攻撃から一時間ぐらいは経ったかな?
晴れていた空はいつの間にか、くすんだ厚い雲に覆われていた。
そろそろ来るはず。
ポツ
ポツ
ポツポツ
一粒 二粒
と降り出した雨は徐々に雨粒が増えていき
やがて雨は本降りの雨になっていった。
ハーピー達の羽が濡れて、徐々に高度が下がっていき、強みの飛行能力を奪われていく。
しかし、生死をかけた戦いでそう易々と諦める生き物はいなく、例に漏れずハーピーもそうだった。
二本足で立ち、羽をはばたかせ跳び上がり鉤爪で攻撃をしかけてくる。
ヴィゾーちゃんの背から跳び上がり、ハーピーの首を蹴り下ろす
ングッ
喉が詰まるような声を出しながら、地面に伏せるハーピー。
それを容赦なく踏みつけるヴィゾーちゃん。
空を見渡して、上からの攻撃に警戒する。
空にはハーピー達はもういない。
他の討伐隊も各個撃破していってる。
よし、いい感じ。
、、、
あれ?
ハーピークイーンは?
ーーーーーッ!!
突然後ろから強い衝撃が!!
その勢いで前のめりに倒れてしまった。
何が起こったかわからず混乱していると、頭をガシっと何かに捕まれ、顔に硬いものが食い込んでくる。
キィィィィー
横目で上を見ると、ハーピー
いや、ハーピークイーンだ!
睨みつけるように見てきたけど、動けないのを見て徐々に広角が上がっていき、薄気味悪い笑みを浮かべている。
左手でハーピークイーンの足を掴むけど、ビクともしない。
キィィィィー
その様子を見て笑うように鳴き
片足を上げて、思いきり踏みつけようとしてくる!
勝ちを確信するハーピークイーン
足が上がりきり、後は下ろすだけ!
キィィィィー
少しだけ魔力を左手の魔道具に通して発動させる!
ビリッ!!
反射的にビクっとして、頭においていた鉤爪が一瞬外れた。
ッッドン!!
頭上にいたハーピークイーンが吹き飛ばされ
かわりに見慣れた相棒が登場した。
ゆっくり立ち上がりマァリッシュを構える
クァックァッ
ヴィゾーちゃんが光魔法で傷を治してくれる。
ありがとう。
ホントいい子だなぁ。
ヴィゾーちゃんのタックルで吹き飛ばされたハーピークイーンが、風魔法を使い身体を浮かせている。
キィィィィー
キィィィィー
キィィィィー
キィエェー
ハーピークイーンの鳴き声に反応するように、生きているハーピーがそれに応えて鳴きだす
そして戦場の魔力が高まっていく。
とっさに魔力を込めたロックタートルのナイフをハーピークイーンに投げる。
「みんな伏せて!」
直後
凄まじい勢いの風が巻き起こり、立っていられなくなる。
しばくして風が収まり、周りを見渡すと
建物は崩れ、戦場で戦っていたハーピークイーンとハーピー達は消えていた。




