81話 アウレ連邦12
81話 アウレ連邦12
〜ルラー到着五日目の朝〜
コーゴ鉱山入口付近
周囲は少し開けているけど、土砂や砕いた岩が山の様に積み上がっている。
そこから更に宿場町側に建物が数棟建っていて、ハーピーが数匹建物の上で寛いでいる
「そろそろいきましょうか?」
近くにいる、シーナさんのパーティーの魔法使いさんとヴィゾーちゃん、そしてそれを守るようにシーナさんに声を掛ける。
「ですね。
じゃあまずは火魔法からね!よろしくね!」
魔法使いさんが頷いて火の玉を数発ハーピーに撃ち込んでいく。
キィエェー
ドォーン
ズドォーン
キィエェー
魔法に気付いて逃げだすハーピー達。大半は空中に逃げれたけど、逃げ遅れた三匹は命中して建物から落ちて黒焦げになっている。
火力つよ!
心の中で「ヴィゾーちゃんお願いね。」と声をかける。ヴィゾーちゃんが頷いて風魔法を展開していく。
その風にオクトレグの種を載せる
キィエェー
キィエェー
攻撃されたハーピー達が空中で騒いでいると、バサバサと羽音を立たせながらハーピー達が集まって来た。
キィエェー
キィエェー
空中に飛ばしておいたオクトレグを一気に成長させる。
ツルが一気に空中に広がりハーピー達に絡まりついていく。
粘着力のある植物を合成しているから、引っ付くと外れないし、暴れれば暴れる程体に絡みついてくる。
近くのハーピー同士が絡み付いたり、単体でも羽に絡みつくと上手く飛べなくなり、どんどん落ちていく。
落ちたハーピーを隠れていた残りのメンバーでトドメを刺していく。
空中にいるハーピーが攻撃してこないように、魔法使いさんが火の玉を打ち続けてくれている。
私も次の種を風に載せていく。
「行きまーす!!」
チュドーン!!
第二波はテッポウウリ2を散らばったハーピーに撃ち込んでいく。
下にいる人達には一旦隠れてもらって、誤爆を防ぐ。
落ちて来たハーピー達を再び他のメンバーがトドメを刺していく。
キィエェー
キィエェー
キィィィィー
ハーピーの群れの一番高い所に他と違って羽に赤色が混じっているのがいる。
ハーピークイーンだ!
キィィィィー
こっちを見ながら更に一鳴き
空中に留まっていたハーピーが一斉にこっちに向かって来た。
「ぬっ!そっちにいくぞ!気をつけるんじゃ!
すぐ向かうから待っとれ!」
「大丈夫です!作戦通り動いて下さい!」
マァリッシュを右手に持ちながら、アルソミトラの膜を強化して風に乗せる。
「ヴィゾーちゃん!竜巻!」
クァッ!向かって来てるハーピーを巻き込むようにして竜巻を作ってもらい、風の刃と強化したアルソミトラの膜で切り刻んでいく。
魔法使いさんが氷魔法で動きを鈍らせていく。
それを掻い潜って接近したハーピーが数体
「シーナさん、私は大丈夫なんで!」
ハーピーの鉤爪が近づいてくる!
一匹目をナイフを三つまとめて投げて、失速して地面に落ちて足元に来たところを仕止める。
二匹目はすれ違いざまにマァリッシュで切りつけて、残りはヴィゾーちゃんが横から頭に噛みついて攻撃、、、後は任せた。
三匹目は二匹目への攻撃直後の体勢の悪いタイミング、しかも横から。
鉤爪の攻撃を腕で受けて、ワザと転がって、その反動で立ち上がる。
四匹目が逆側から飛んでくる。これも腕で受けていなす。
数度三匹目と四匹目の波状攻撃を受けて、体勢を整えていく。
左から来た一匹の方に走り出して、懐に滑り込んでマァリッシュを突き立てる。
そのまま引きづられるように少し移動する。グッと力を入れて徐々にスピードを鈍らせて、足を掴んで引き倒す。
タイミングを測っていたもう一匹か急降下してきた。
風魔法で足元の砂を巻き上げて、石を蹴り上げる。
それに気を取られているうちに、身体強化を使ってハーピーの後ろに回り込んで高く飛び上がり髪を掴み、無理矢理地面に叩きつける。
地面に落ちたハーピーにトドメを刺そうとすると、鋭い風切り音がしたから、振り返って腕を十字にしてガード!
しっかり踏ん張っても押されて、引きづられそうになる。
ヤバい!!押し倒されそう!!
必死に耐えていたら、横からヴィゾーちゃんが助けに来てくれた。
横からの攻撃を受けたハーピーはまた、高く飛び上がっていった。
ハーピーじゃなくてハーピークイーンか。。。
空にはまだ十匹程ハーピー達がいて、こっちを睨みつけている。
 




