72話 アウレ連邦3
72話 アウレ連邦3
「父さん、母さん夏休みに一ヶ月ぐらいの護衛クエスト受けていい?」
「あら、どこまでいくのかしら?」
「アウレ連邦だよ。初めての指名クエストなんだよ。
内容は護衛とマァリッシュの演武・実戦だよ。」
「マルゴ商店からのやつかい?」
「そうだよ。父さんも知ってたの?」
「うむ。アウレ連邦から連絡があってな、マァリッシュの話を聞きたいそうだ。
最初父さんが派遣される予定だったんだが、父さん冒険者やってたの昔だし、自分で言うのもアレだけどチートだろ?参考にならないから、現役の冒険者を連れて来いって言われてしまってな。
それなら、人選は冒険者ギルドに任せたら?という流れになったんだ。」
「そうなんだ。断られ方が父さんらしいよ。」
「マルゴ商店関連なら問題なさそうね。いいんじゃないの?
ヴィゾーちゃんはどうするの?」
「連れて行くよ。。。連れて行っても大丈夫だよね?」
「うむ。いいぞ。夏までにはもう少し騎獣時間伸びるだろうし、鞍にちょっと細工しといてやろう。そうすれば商隊のスピードに、余裕でついていけるだろう。
「わっ!やったーよろしくね。」
「アウレ連邦はゴーレムが多かったわね。後は木が少ないから、そこらへんの対策をちゃんとしていきましょうね。」
「はーい。」
「それにしてもアウレ連邦ねぇ。
ほんと、ドワーフ達は武器の事となると貪欲よね。」
「うむ。鍛冶や武器で知らないモノが出てくると、すぐ研究したがるからな。」
「あれ?父さんも昔マァリッシュ使ってたんじゃないの?その時呼ばれなかったの?」
「父さんは武器ならなんでもよかったから、マァリッシュに拘ってたわけではないからな。
それに、冒険者時代はまだマルゴ商店にいなかったからな。そもそもマルゴ商店がなかった時代だ。」
「そうなんだ。」
「ドワーフならあの子がいたわね!ユミルちゃん。」
「ユミルちゃんかー懐かしいなぁ。」
「ドワーフ族に知り合いがいるの?」
「えぇ、昔ユミルちゃんのおじいさんと冒険した事があったのよ。たまにやり取りをしていてね、ずっと前にドワーフの国に行った時に、初孫なんじゃっ!!て言って自慢してたのよ。
その人はもぅ亡くなっちゃったんだけどね。。。
そうだ、お手紙を書くから渡してくれないかしら?」
「え!あぁ、いいけど、わかるかな?ユミルちゃんって珍しい名前なの?探せるかなぁ?」
「きっと大丈夫よ。第一第二職業共に鍛冶師らしいから、マァリッシュの演武には来てるはずだわ。」
「うわっ!両方鍛冶師って凄いね!ひょっとしたら凄い有名人かもね!
で、その有名人に手紙を渡す私って、なんかファンみたいだね。」
「あら、ほんとね。」
両親の許可がおりてから、数回マルゴ商店の商隊と打合せをして、出発までの間ヴィゾーちゃんの騎獣時間を伸ばす訓練をしたり、母さんから、樹魔法でのゴーレム対策を教えてもらったよ。
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アウレ連邦
ドワーフ族の四つの部族が集まって互いの考えを尊重しながらも、経済・武力・食糧事情等豊かに安全に生きる為の事は協力し合う点は合意し合って結成された国家。
外交権は各部族ではなく連邦が持っている。
四つの部族に分かれている理由は住む地域の違いが大きくて、ドワーフ族はその土地の鉱石を使って武器を作り、その土地の炎の精霊と懇意になり鍛冶を手伝ってもらっている。
職人気質が強くて、ドワーフ族の作った武器が世界一!という思いが強くて、他の人種が作った武器をあまり面白く思っていなかったけど、混血が徐々に進み、少しずつだけど他の人種を受け入れつつある。
ただ、本当にまだ少しずつって感じで、未だに族長や有名工房長はドワーフの原種人ばかり。
ドワーフ族
平均身長百五十センチ程
酒が好きで
鍛冶と細工が得意
男性は横にかなり大きいけど、太っているのではなく筋肉量が多い。腕力が強く、髭を生やしている
女性は男性程ではないけど、それでも筋肉量が多く、希薄人の戦闘系の人より腕力はある。
髭は生えない。




