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60話 雪のインビシ1

60話 雪のインビシ1


後期になると学校は週三回になって、かなり自由に動けるようになるから、みんな其々自分で課題をみつけて時間を過ごすようになる。

冒険者としてクエストに打ち込むのもいいし、第一職業に関しての事をしてもいいし。

どっちにしろモンスターがいるこの世界で自由に動くには、戦闘能力が要求される。防御に特化しているとはいえ、騎士は戦闘職になるから、それを使わない手はない。


冒険者のギルドランクがニになってる人も少数だけどいる。

ウチのクラスだとネアカ君と魔法使いちゃんと私がランクニになってる。

ネアカ君は野営訓練の時には既にランクが上がってたみたいで、一人で自由に私を探していたのも、ランクニだからなんだって。

母親が地元のギルマスだから推薦は貰い易いもんね。

魔法使いちゃんは、あの魔法を見たら納得しかないよね。

そんな中に混ざる私、、、どう考えても凡人だよね。。。


ギルドランクがニになると、今まで受けれなかった依頼や、立ち入り許可区域が増えたりする。


ヴィゾーちゃんも生後三ヶ月を過ぎるとべったり過ごさなくても大丈夫らしいから、そろそろ遠征を考えてるんだよね。


野営の事もあるし、今回はパーティーを作ろうと思ってる。

と言っても、メンバー予定はファムちゃんとネアカ君かな?

あとは、誘えたら魔法使いちゃん。



朝礼前、まだクラスメイトがまばらにしか来ていない時にみんなを集めて誘ってみた。

「ねぇねぇ、みんな今度パーティー組んで遠征にいかない?」


「遠征かっ?!何を狩るんだっ?」

すぐ反応してきたのは、第一職業が武道家のネアカ君。格闘センスとコミュ力が高い。割と無茶振りに答えてくれる頼もしい系男子


「雪のインビシなんだけど。」


「雪のインビシって見つかりにくいやつじゃん。」

実家が牧場で、第一職業がテイマーのファムちゃん。ハルバードがメイン武器でモンスターに詳しい女の子


「どうしてぇ雪のインビシが欲しいのぉ〜?」

第一職業が魔法使いの女の子。雷と光が適正属性でチート気味の女の子。喋り方がのんびりしてる。


「認識阻害効果があるのと、綺麗だから。」


「わかる〜見た目って大事だよね!!色合い悪かっなら装備したくないもんね〜」


「同じ認識阻害だけどぉ〜ヒラタミだと嫌だよねぇ〜。」


「そうなの〜流石みんな分かってくれて嬉しいよ〜。」


「わたしも欲しいから、雪のインビシは絶対狩ろうね!」


「私もぉ欲しいなぁ〜。」


「俺はそんなに要らないかなっ!」


「そうなんだ。けど、付いてきてよね。他にもモンスターは狩る事になるだろうから。」


「お、おうっ!

けど、どうやって探すんだっ?!見つかり難いんだろっ!闇雲に雪原を歩いたら効率悪いしっ!」


「インビシは基本的に音がする方に寄ってくるけど、遠くから見ている事が多いんだって。

だから、インビシが観察できる場所を絞れば見つけやすいかな〜って思ってる。」


「確かにそんな習性があったね。けど、どうやって場所を絞るの?みんなそれがわかんないから、見つかりにくいんじゃん。」


「雪のインビシってぇパンサー系でしょ〜?

だから、木の上にいるから、森の方じゃないかなぁ?」


「確かにパンサーは木の上で待ち伏せして襲いかかるから、森から見てる可能性はあるよね。

問題はその広い森からどうやって見つけるかだね。」


「ふふふ、それは私に秘密兵器があるんだよ!」


「なになに?」


「ふっふっふっまぁこれから冬にかけて下準備をしていこうよ。」

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