45話 野営訓練12
45話 野営訓練12
名前を呼ばれた!
発動しかけてたテッポウウリ2への魔力供給を止めて、発射を止める。危なかった〜
「そうだよ。」
「俺だっ!ネアカだっ!」
「ネアカ君!助かった。もぅ魔力がかつかつなんだよ。」
「そうかっ!状況は把握してるかっ?!」
「いや、全く。」
「よしっ、一旦拠点付近までいくぞっ!そこでみんなと合流するぞっ!」
「わかった。」
走りながら、襲いかかってくるモンスターをネアカ君が倒して行く。
本当に同級生?っていうぐらい戦い慣れてる。魔力量少ないのを嘆いてたけど、これで魔力量が人並にあったら、バケモノなんじゃないの??
いや、今でも充分強いんだけどね。
拠点に着くと。夕食の準備の途中に襲われたのか、鍋がひっくり返っていて、食材が散らばっていた。
テントも崩されて、荷物は置きっぱなしになって、急いで退避した形跡があった。
「先生っ!メティスさんがいましたっ!」
ネアカ君が各方面に指示を出している担任の先生に向かって大声で報告する。
「ノーキン君よくやった。
ラヴァルさん怪我はあるか?その他不調とかは?」
「怪我はないです。魔力がもぅほぼないぐらいで、後はこの卵から手を離せないので、戦闘が厳しいです。」
「よし、それならコレを飲みなさい。魔力ポーションだ。」
マジックバックから緑色の液体が入った小瓶を手渡して来て、飲むように言われた。
「なんの卵だ?どこからか奪ったとかではないよな?」
「ポーションありがとうございます。
卵は何のかはわかりませんが、大きな鳥のです。
親鳥は既に死んでいたのを不思議な声に導かれて託された感じです。」
「そうか、わかった。
では、その卵をしっかり守りなさい。」
「わかりました。」
「ノーキン君。」
「はいっ!」
「ラヴァルさんを連れて後方に下がりなさい。」
「わかりましたっ!メティスさんいくぞっ!移動しながら説明するっ!」
拠点から王都方面に向かいながら走る。
途中クラスメイトが何人かいて、モンスターを食い止めているのが見えた。
「ネアカ君、どんな状況なの?」
「俺らが拠点にしている所に、フォレストウルフの変異種が出たんだっ!大きさは通常の倍ぐらいあって、魔法も使うっ!
更に部下みたいにフォレストウルフを何頭も連れてきているっ!」
「えっ!?フォレストウルフって集まっても二頭とかじゃなかったっけ?ありえないよ。」
「ありえないだらけだっ!
今、騎士団の人が拠点からズレた所に引き連れて戦ってもらってるっ!生徒は全員集合次第退避っ!」
「ファムちゃんは?ファムちゃんは大丈夫なの?」
「前を見てみろっ!」
走っている方向の先にオレンジ色の髪の毛の女の子が手を振っている!
ファムちゃんだ!
「メティスちゃん心配したんだよ!怪我とかない?」
「心配かけてごめんね。怪我はないよ。」
「その卵、、、おっきいね。」
「うん。ちょっと不思議な体験をして、そこで託されたから育てる。」
「、、、わかった。ちょっと見せて。」
ファムちゃんが卵を触って色々確認している。
「鳥だよね?ちゃんとあっためてる?この感じだと多少は大丈夫だけど、あまり斜めにしたらダメだからね。あとは強い衝撃もダメだからね。」
「わ、わかったよ。」
ファムちゃんと話していると、少し前にすれ違ったクラスメイト達が集まってきて、装備の点検をしている。私も魔力ポーションを飲んで、準備OK!
「よーし!集まってるな!王都まで撤退するぞ!」
いつの間にか担任の先生や騎士団の人達も集合して、指示を出していた。
あれ?モンスターは?
「さっきの変異種とその部下は、今騎士団の方の召喚獣と戦っている。しかし、数が多くて倒しきれない。足止めをしているうちにさっさと撤退するぞ!」
サモナーの人がいたんだ!!
けど、そうだよね、この広い森に散った生徒を探し出してってなると、サモナーとかテイマーが居ないと人海戦術とれないもんね。
私は見つけてもらえなかったけど。
あ、いや、居場所が特殊すぎたもんね。
あれ?じゃあなんで召喚獣がいるのに、ネアカ君は単独行動してたんだ??
まぁ単純に探す頭数が多い方がいいからかな?
クラスメイト二十人と担任の先生と騎士団から派遣された二名の合計二十三人で移動が始まる




