38話 野営訓練5
38話 野営訓練5
「メティスちゃんできたよ。」
「おぅっ!おかえりっ!」
「ありがとう。こっちも準備できたよ。後は上手く行く事を願うしかないよ。」
「で、説明してね。」
「うん。まずはファムちゃんに渡した植物はゲルセミウムって言って毒草なんだ。
特徴があって、根元付近は遅効性で、新芽が即効性なんだ。
まずは、それでロックタートルに遅効性の毒を溜め込んでもらうの。
で、谷の入り口らへんにサンペドロサボテンっていう食べると幻覚が見える植物を植えてるから、それを食べてもらって、ハイテンションでアルマジロドラゴンの餌場に突入してもらうの。」
「んっ?!でもそんな都合よく餌場にいくかっ?!来た道を帰るかもしれないぞっ?!」
「そこは、また、糞で道を塞ぐんよ。
宜しくネアカ君。」
「、、、、ハイ。」
「で、仕上げに餌場にゲルセミウムの新芽を投げ込んで、ロックタートルに食べて貰う。」
「即効性のやつ?」
「うん。即効性といってもあんなに大きいから、効くまで少し時間はかかると思うんだよね。もちろん、アルマジロドラゴンが出てくるから、戦闘になるから、ロックタートルに少し暴れてもらう。」
「なるほどっ!そこで噛みついて離さない特性で、じっくりと毒をくらってもらうんだなっ!」
「そうそう、そこで多少動かなくなっていっても、サボテンの幻覚効果で誤魔化せたらいいし、なんせ、攻撃もらうだろうから、弱って動かなくなるってのもあるしさ。」
「まぁ最悪残ったやつらは私らでトドメを刺せばいいじゃんね。」
「うん。そんな感じ。」
「よし、じゃあ、、、待機かな?」
「うん。待機だよ。」
「オレハムコウデタイキスルッ!」
「あ!ついでき谷の逆側も封鎖しといて欲しいな。」
「ワカッタッ!マカセロッ!」
またトボトボと消えていくネアカ君。
ごめんよ。
しばらくして、
ロックタートルがノソノソとモソモソと植えた植物を食べながら誘導されてやってきた。
谷の入り口でサボテンを食べたら、キュッ、キュッと鳴きだした。
異変を感じたのかな?
スッと立ちあがろうとしたら
「アレは大丈夫!亀が喜んでる時に鳴く声だから。」
ってファムちゃんが教えてくれたから、そのまま暫く観察していると
ロックタートルが奥に進んでいったから一安心。
その後、食べては歩き食べては歩きを繰り返していき、アルマジロドラゴンの餌場近くまで来た。
ゲルセミウムの新芽をアルソミトラ(浮遊植物)につつみ、餌場に投げ込む。
ここまではビックリするぐらいイメージ通りの展開になってる。だけど、ここからが未知の領域なんだよね。どうなるんだろ?!
キュッて言いながらロックタートルが新芽を食べていると。湧き出るようにアルマジロドラゴンが現れ、一気にロックタートルに襲い掛かった。
数は十五匹。
そこからは壮絶な戦い、、、を眺めているだけだった。
アルマジロドラゴンがロックタートルに噛みつきに行ったと思ったら、ロックタートルが体を回転させてアルマジロドラゴンをふっとばし、遅れて近づいてきたのを踏みつけ、暴れ回っている。
全長十メートルの巨体が暴れ回ると、アルマジロドラゴンといえ体重差はどうしようもなく、吹き飛ばされてしまっている。
それでも何度も何度も攻撃を繰り返していき、ロックタートルを攻め続けている。
どれぐらい続いたんだろう?徐々にロックタートルのスタミナが切れてきたのかな?毒が回ってきたのかな?動きが鈍り出してきた。
ロックタートルに噛みついているアルマジロドラゴンの数も多くなってきている。
ロックタートルも風魔法を使いアルマジロドラゴンを攻撃するけど、もともと体重の維持に使っていたぐらいで、攻撃に使うには不慣れなのか、大した傷を与えれていない。
次第に動かなくなっていく、、、それでも最初十五匹いたアルマジロドラゴンも、半数は動かなくなっている。
その後暫く見ているとその場で動いている者はいなくなった、ように思う。
「終わったのかな?」
「ちょっとまってね、一発撃ってみる。武器は構えといてね。」
テッポウウリ2を用意して、狙いやすい位置のアルマジロドラゴンを撃つ
バァァン!
大きな音と共にアルマジロドラゴンの頭を撃ち抜き、他の敵が動き出さないか警戒
バタバタバタバタ
ロックタートルに噛みついていた個体だ!
四匹生きていた!!
急いでテッポウウリ2を用意し発射して一匹仕留める。
ネアカ君はトンファー、ファムちゃんはハルバードを構えて対応に走る。
私も鞭を用意して攻撃準備に入る。
鞭を回転させながらタイミングを測る。
鞭の速さに相手が慣れる前に刺鞭で片目を潰したい。
ッパンッ
一撃で右目を潰せたけど、構わず突進してくる。
それを左に避け死角に入る。
キョロキョロして見失った私を探している。
何度か鞭で攻撃しながら、テッポウウリ2を用意して発射。
バァァン
頭を打ち抜き勝利
 




