35話 野営訓練2
35話 野営訓練2
「ファムちゃんどうだったー?」
「よ、余裕だな!って言いたいけど、一度避けられて、逃げられそうになったんだよね、ハルバードを投げて、なんとか倒せたからよかったよ。」
「わっ。危なかったね。けど、そこから倒せたんだから、ファムちゃん凄いよ。」
「ありがとう。ていうかさ、よくユークの居場所がわかったね。」
「ん〜動物って、逃げる時って坂を下っちゃうと、後で登らないといけなくなるから、同じ高さを移動するんだって。だから、逃げる方向が大体わかれば、地形を見たらなんとなく居場所が分かるかな。」
「いや、それどこ情報?プロじゃん。」
「えー本に書いてたし、実際そういう事多かったからさ。プロじゃないよ〜。」
「、、、なんかこの数ヶ月で差をつけられた気がするんですけど。」
「どうだろ?そうでもないと思うけどな〜。
あ、そこの沢で解体しよ。」
「解体ね。。。メティスちゃんできるの?」
「うん。ギルドの解体場のおじさんに教えてもらったからできるよ。教えるからファムちゃんもやってみなよ。」
「え、うん。やってみる。
というか、やっぱプロじゃん。
普通の15歳は解体できないし、モンスターの習性も詳しくないからね。」
ユークの毛皮は保温性が高くて冬に向けて需要が多くなるから、丁寧に剥がして、水魔法で内側の脂を落としておいた。
ツノは薬の材料になるから、それも忘れずに採取。
骨を切ったりするには時間がかかりすぎるから、今回は肋骨の間の肉は諦めて、大きく取れる部分だけにしたよ。
解体を終えて野営地に着いたら、他の調理担当のメンバーが調理場を作ってくれていたから、ユーク肉の使い道を相談した。
結果今日は焼きユーク肉丼と山菜スープにした。肉は多めに焼いて、足りない人は追加で食べれるようにした。余ったら余ったで、明日の朝食にすればいい。
朝はなるべくサボりたいんだよ。
夕食にユーク肉が出た事によって、クラスメイトから感謝され、二匹分あると言ったら、崇められた。ノリがちょっとウザい。
ご飯の片付けが終わって、火に当たりながらファムちゃんとホットミルクを飲みながら一息ついていたら、ネアカ君が声をかけてきた
「よぉっ!ユーク狩りしたんだってっ?!」
「そうだよ、ファムちゃんと一匹ずつ狩ったんだよ。」
「ファムさんもかっ!流石だなっ!」
「わたしの場合はギリギリだったけどね。」
「例のハルバードでかっ!?使い心地どんなもんなんだっ?」
「んー学校のより斧部分が大ぶりだから、まだバランスに慣れてない感じ。まぁ慣れるしかないじゃん。」
「そうかっ!けど、よくユーク見つけれたよなっ!あいつら警戒心強いのにっ!」
「それはメティスちゃんの力だね。痕跡と状況判断で、居場所を見つけ出したんだから。」
「そうなんだっ、、、二人共、明日からの場所でパーティー組んでくれないかっ?!」
「パーティー?何を狩りたいの?」
「ロックタートルか、アルマジロドラゴン。」
「両方とも硬いやつじゃん。わたしら三人だけでやるには早くない?」
「普通に考えればなっ!でも、もし狩れればだいぶ装備が潤うぞっ!」
「それはそうだけど、、、もし失敗したらどうするの?」
「ロックタートルは足が遅いから逃げ切れる。
アルマジロドラゴンも縄張りからあまり出てこないから、なんとかなるかな?」
「うーーん。メティスちゃんはどう思う?」
「、、、アルマジロドラゴンはドラゴンって名前だけど、大きなトカゲだから、火を吹いたりはしないけど、集団で生活してるから、十匹対三人とかになると大変だから、狩るならちゃんと策を練らないとね。ちなみ足は早いよ。
ロックタートルは硬いから、柔らかい頭と手足を狙うしかないよね。あと凶暴で風魔法を使うよ。
今の私達だと正攻法じゃ敵わないと思う。」
「そうだよね。ネアカ君無理だって。」
「うーん。だけど、別に他に狩るもの決まってないから、狩る方向で考えて、見つけてから最終的に決めたらいいとおもうよ。」
「おっ!俺はそれでもいいぞっ!」
「メティスちゃんがいいなら、わたしも参加しない訳にはいかないよね。わかった。わたしはいいぞ。」
「もちろん私もいいよ。ただ、見つけた後、狩るかどうかは、みんなで判断して、無理なら一人で行かないって事でいい?」
「助かるっ!それでいいっ!宜しく頼むっ!!」
明日からのパーティーが決まって、どこを探索するか、なにが必要になるか色々話し込んだ。
クラスメイト同士で森の野営訓練。
盛り上がりそうなものだけど、あまり騒ぐと森の生き物を刺激してしまうし、明日も野営訓練は続くから、みんなほどほどで眠りについた。
夜の警備六人、六人、八人の三班に分かれて、調理係は最終班になるから、一先ずしっかり寝れるね。
おやすみ。




